3日目
第21話 旅行中の行き先はその日次第?
朝起きて二人は朝食のバイキングを食べながら最終日は何をするか特に決めておらず、まずは写真映えする白髭神社に行くこと以外はノープランである。
ガイドブックを何度も見たが結局最後の方がグダグダになってその日の場当たりで終わってしまうことも多いのだがそれはそれでいいと思っている二人。
「湖西から上に登って白髭神社、からの来た道と同じ方を通るから……またひこにゃんチャレンジ?」
「いや、わたしはそんなにひこにゃんに執着してないから。行っていないところにしましよう……ここはどうかしら」
李仁が指差す方は船の写真である。
「竹生島……帰りとは反対方面だね」
「そう、それなのよ。夜遅くなってもいいけどさ」
「そしたら明日仕事の李仁には大変だからさ、どうしても行きたい以外だったらやめたほうがいいって」
「ありがとうね、まぁまた今度いけたらいいってやつだから」
と二人はまだまだ探していく。
すると湊音が
「今日天気いいし、これいいんじゃない?」
と指差す方に船の写真。ミシガンクルーズである。大きな観覧船が琵琶湖を周遊するのだ。
「いいじゃない……でもランチとセットがいいけど……やっぱもう予約でいっぱいだあ」
「じゃあ途中でなにかご飯でも食べてから13時出港に間に合うかなぁ」
二人は決まるとすぐにスマホでどんどん調べてプランが組み立てられていく。
「船は大丈夫かしら、コンビニで酔い止め買おうか」
「それは助かる。じゃあもう決まったわけだし行動行動ー!」
「はいはい、あとコーヒー飲ませて」
「わかった」
とても楽しそうな湊音。ここ数週間ずっと湊音は調子が悪く塞ぎこんでいたため心配はしていたがこの様子だとしばらくは心配なさそうだと李仁はホッとした。
早々とチェックアウトして二人はまず白鬚神社へ。湊音は助手席でミシガンクルーズのことを調べている。
「ショーが見られるって。楽しそう」
「そうね、なんか私も踊っちゃおうかなぁ」
「そうか、李仁は昔そっち側の人だったもんね」
「何よそっち側って、昼には見せられないやつよ」
「あーまじで見たかった、李仁がみんなの前で踊ってるやつ」
「ちゃんと合間におひねりをねじ込んでくれなきゃ嫌よ」
「それもやりたかったー」
「それしてくるミナくんはちょっと嫌」
と話をしているうちに到着。
琵琶湖の中に赤い鳥居。やはりジメジメはしているものの晴れた空の下写真映えする。高台に乗って二人は写真を撮った。
本殿が工事していたためちょっとがっかりの湊音だったが琵琶湖をゆっくり眺めて息を吸う。
「さぁさぁ次行こ!」
「もう?」
とさっさと湊音は降りていった。
「もぉ、マイペースすぎるんだからミナくん」
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