「さてーじゃあ行きますかー」

「おー！　今日も暑くなるよぉ」

　と李仁の首に湊音はアイスノンをあてる。

「まぁ最初の二つは有名観光地だし、今日のメインは石山寺と近江神宮ー！」

「でも怪しいのは夕方前……雨が来そうだよ」

　湊音は不安そうに雨雲レーダーを見て心配している。確かに夕方前に雨雲が来ている。

「大丈夫ー大丈夫ぅー」

「李仁、何が大丈夫なの？」

「わたし、晴れ男だからー！　出発ー」

　李仁の明るさに湊音は救われている。

　最初はラコリーナ。某洋、和菓子店の施設である。李仁が知り合いから滋賀に行った際にはそこに行ったらよいと聞いていたのだ。

　その評判通り自然の中に広大な横に広がる建物があり、SNS映えもする。2人はたくさん写真を撮る。

　この店舗のチェーン店は滋賀に点在し、せっかくならとラコリーナ限定のお菓子とシールなどの雑貨を買い、一部は郵送した。

　次は某明太子テーマパーク。地元の隣県の愛知にもあるし、一度2人は行ったことがある。

　実際に行ってみると家族連れが多く人も多い。いろんな明太子の商品を見たり、試食したり。

　残念なことに湊音の好きなめんたいフランスパンはここでもゲットならずでがっかり、しかもフードコートは大混雑。

「……ちょいとここで腹を満たすのは難しそうね」

「だねー」

　2人は琵琶湖が眺めるスポットでツーショットを自撮りした後に早々と後にした。

「めんたいフランスパン……」

「しょうがないわよ、愛知の方もすぐ人気で売り切れちゃうし。また私が作ってあげるから」

「うん、頼むよ……」

湊音は自分のパートナーが料理人でよかった……と思いながらもやはり名残惜しい様子。

「はいはい、つぎー！」

「わかりましたー！」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい