第11話 湊音とジュリ

 李仁とシバがカウンターで知り合いと再会して盛り上がっているのをテーブル席から見ている湊音。少し嫉妬気味の様子。


 清水くんと呼ばれていた店主。ガタイもよく昔からイケメンであったであろう、要素がたくさんである。


「大丈夫、あの人は李仁の元カレじゃないから」

 と湊音にささやくジュリ。

「……でもやったんじゃないの」

 とまだ疑念を抱く湊音。


「さぁねー。私はキスとハグくらいよ。一応清水くんは同じゲイダンサー出身の兄貴ポジションでモテモテだったからなかなか近づけなくて」

「……」

「気になるんじゃない? ふふ」

 湊音はジュリの煽りにそっぽを向く。


「石鹸のにおいするけどシャワー浴びてきた? まさか来る前にホテルでセックス?」

 図星である。赤面する湊音。ジュリはさっきから湊音の反応を楽しんでいるようだ。


「暑いしねー、私達も昨日の京都すっごく暑かったから少し回ってすぐホテル入ってシャワー浴びてディナーまでの時間セックスしてたからね」

「今日は?」

「あードライブと、延暦寺と近江神宮とラコリーナ……暑かったけど京都よりややマシだったかなー。楽しくってセックスよりも観光」

「いちいち報告しなくていいよ」

「ふふふ」

 ジュリは湊音の太ももに手を置いた。ドキッとする湊音。そしてゆっくりその手が鼠蹊部をさするかのように動く。


「報告したほうが湊音の嫉妬度高まるかなぁってさ」

「よ、余計なことを……」

「前もそうだったじゃない。私とシバのプレイを教えたら嫉妬しまくって私に八つ当たりしてたじゃーん」

「うぐっ……」

 他の客に机の下でジュリに鼠蹊部を撫でられるのをバレないよう耐えている湊音。その表情を楽しむジュリ。


「お待たせー。お冷持ってきたわよ」

 そこに李仁とシバがやってきてジュリは動きを止めた。


「メニューはおまかせで頼んできたからね」

「……ああ。ありがとう」

 助かった、と湊音は思いながらも持ってきた水を一気に飲み干す。


「喉乾いてた?」

「んまぁ……ね」

 そんな湊音の横ではジュリが笑ってた。

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