第8話 多賀大社
2人は少し冷静さを取り戻して彦根を後にし多賀大社に向かう。
「多賀大社もお祭りらしいよ」
「まじか、駐車場あるといいけど」
昼過ぎだと混む確率も高い。確かに向かう先はだんだん車が多くなってきた。
だが境内はそこまで広くはないため滞在時間も少ないから回転率も高い、と李仁の独自の考えの元強行突破。
確かに境内横の駐車場はあるが出ては入っての連続。しかしなかなか入ることはできない。
「少し先に銀行あるけどそこに……」
とややせっかちな湊音は提案するが
「銀行から神社まで歩くわよ。外暑いのに歩いたら体力なくなるわ」
と李仁は待つことにするとすぐ5分もしないうちに駐車できた。
降りてやはり暑さを感じるが先ほどのように歩くとなるとしんどかったであろう。それよりも……と考えたら。
そして車から降りて2人が境内を見渡す。
「雑誌と見た目が違う」
雑誌ではシンプルな神社であったが祭りの日でもあって提灯がズラーっと並びかなりの圧巻である。
人もそれなり多く、他に夜から始まるであろう露店の準備もされていた。
「なんかパワーが漲るわねー」
と李仁は日傘を差しながらも腕を広げる。
「そう言われるとそうかもー」
と湊音も一緒に。
「せっかくならこのパワー受け取っておみくじ引きましょう!」
「うん!」
と社務所でおみくじを引こうとすると目の前にQRコードが。
「おみくじがコード決済……進んでるわね」
と二人はびっくりする。
「お守りとかは現金でいただきます」
と巫女さんが言う。
「そこは現金か……」
さっそく湊音がコード決済をして2人分のおみくじをもらう。
「いっせーのーで!」
おみくじを同時を開けると
「大吉!」
何と2人とも大吉。
それぞれ番号は違うが。
45才の男2人が大吉にキャッキャ言う姿を周りの人が白い目で見ているが社務所の巫女さんが
「なかなか大吉が一気に出ることはここでは珍しいんですよ」
と本当か嘘かわからないのだがそう言われた2人はこの神社のパワーの凄さを感じるのであった。
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