第7話 アイスも溶ける暑さ
彦根城に登り彦根の街を展望し終わった後、彦根の街に戻り空いている店に入って昼ごはんを食べることにした2人。気づけば昼近くになっていたから。
「やっぱ店の中は涼しいわ」
「ねー、でも彦根の街を待たせたのは最高だったー」
と2人は城から撮った景色を見せ合って先ほどまで居た場所を思い出す。
ツーショットを撮ったが互いにサングラス姿で怪しさ満開だった。それを見て笑う。
「ねぇ、後でさっき見つけたアイスクリーム屋さんでソフトクリーム食べよ」
「うん、それのためにここのプリン注文しなかったんでしょ」
「わかってるね、李仁」
「長い間一緒にいるからわかるわよ」
涼んだ後に外に出るとまた暑さは半端ない。
すぐ近くのアイスクリーム屋さんでほうじ茶、抹茶それぞれのソフトクリームを買う。
店の中で食べれるのだが湊音が車の中で、という。
外に出ると暑いが駐車場も近いから大丈夫だよね、と。
李仁はわかっていた。不器用な湊音が遠回しにそう言う事。
車に戻ると車内温度は高い。少しずつ溶けていくソフトクリーム。それぞれ運転席と助手席に座ってそれぞれのソフトクリームを舐める。
「やっぱ2人きりの方がいい」
「旅行なんだから、でもわたしも」
互いのソフトクリームをシェアしどんどん溶けていくソフトクリームの液体が垂れて持つ手にどんどん垂れて来るのを阻止するために2人で舐め合う。
指を舐めアイスを舐め。
フロントガラスをアルミのシートで隠しているのを良いことにアイスもコーンも無くなる頃には運転席のシートを倒して互いの唇を吸い、舌を交じり合い、ほうじ茶と抹茶の味、そして汗の塩っぽさが口の中にカオスのように混ざり合う。
体も火照り制汗剤と香水の匂いの奥の汗と体臭とソフトクリームの甘い匂い。
熱を一番帯びている互いの部分がズボン越しに感じ取られる。
その時、正気に戻った李仁は覆い被さる湊音を優しく離した。
そして頭を撫でて
「まだ歩くんだから体力温存しましょう」
と言うと湊音は少し不満足げだが頷き、もう一度キスして体を離した。
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