第9話 痴情の流れ弾で呪いを受けた話


 8月10日今までの書き方と5点ぼかし&フェイク入れたらOKという許可もろたから書く。


 中学生の頃、とある事件を切っ掛けに友人関係となった奴が居るんだけど、まあ色々と規格外な奴で、私としては良い友人としてずっと接しているし、相手もそう。

 それは今現在も変わらない。

 ただ、ソイツは両刀遣いと言うべきか…まあ、どっちもいけるんですわ。

 そして何よりも交友関係が広く、そーゆー関係もかなりある、らしい。

 大学卒業してちょいの頃、久しぶりに来たソイツと夜遊び(ノンストップカラオケ耐久勝負)をしていたんだけど、歌っている最中になんか凄い悪寒というか、過去数度あった「あ、これやばいやつ」という何かを感じた。

 瞬間友人をバッと見る。

 ソイツは『ヤベ』って顔をして私をジッと見る。

 曲は流れているけどそれどころじゃない。

「霊?」

「違う。呪い」

「なんで?」

「ゴメン、とばっちり」

「マジで何をした!?」

「私は何もしてない!」

 いーやぜっていこいつが手を出していなくても激重感情拗らせるようなことしたに違いないんだ!俺ァ詳しいんだ!

 小一時間問い詰めたらやっぱりだった。

 顔スタイル全てよしなコイツのことだ。絶対にやらかしているだろうと思った。

 ただ、私は払うことはあまり出来ないんじゃが?じゃが?

 ジト目でソイツを睨む。

「…分かった分かった。ツテ当たって御守り作って貰うから」

「いやその前に、その人余程の霊能力者か術者だよね?」

「…なんて?」

 友人の顔が真顔になる。

「前にもらった爺様の数珠貫通して私を見て呪いを掛けたわけだから」

 3話でチラッと話を出したお爺さんからもらった安っぽい数珠があるんだけど、友人と会うときは必ずそれを付けていた。

 お爺さんが「アイツは常に人の念を纏って生きている。そういった奴等から睨まれんよう変な所にいくときだけではなくアイツと会う時にも着けとけ」と言われていたから素直に着けていた。

 まあ、お爺さん紹介してくれたのもコイツだけど。

「……明明後日、また会おう。その時までに御守りは用意するから」

 無茶苦茶シリアス顔でそう言ってきたよ。

 ただまあ、その後4時間歌い続けましたが!


 友人と別れて自宅へと戻る。と、母親が変な顔をした。

「アンタそこ行ってたの…お香の匂いするけど」

「いや、友人とカラオケだけど…お香?香水つけてないしあっちもつけてなかったよ?」

「違う違う。お香」

「え、線香?」

「…まあ、高級なお線香の香りよ」

 うわぁ…

 この時点で私は自分の想像以上にマズいと理解した。

 家の守りも貫通されてるぅ…お爺さんのものも効いてないから当然だとは思うけど、これはヤバい。となると部屋も…

 嫌な汗が出てくる。

 ───お爺さん。貴方の言っていた奴の念の厄災がモロに来てます!

 心の中でそう叫びながら部屋に入る。

 部屋は何事もなかった。

 オタグッズや魔除け、占い道具等々に反応無し。

 ただ、昔潔斎して書いた符だけが駄目になっていた。

 厄災避けと呪い返しの2枚のうち、呪い返しだけが判別不能になっていた。

 友人に即電話するも繋がらない。

 焦りながらもプラス方面のことを考える。

 厄災避けは無事。であればまだ大丈夫だ。

 そう考えて気を落ち着かせる。

 涙目でしたけど。

 3時間後、向こうから連絡があった。

 移動中だったらしい。

 事情を説明すると『は?あれまだあったのか?てっきり───』とか怖いこと言っていたけど無視して判断を仰ぐ。

『お前に匂いを付けただけだと思う』

 それだけで私の護符駄目にしたんかい…やっぱ本物は違うね!

 はぁぁぁぁぁ(涙目

『今先生のところに向かっているから書いてもらったらすぐ戻る』

「まあ、お前が悪いんだけど、ゴメンなぁ…だいぶお金吹き飛ばしていそうだ」

『飛んで1月分だよ』

 ちょっと変な悲鳴出た。


 で、友人が到着するまでの間起きた出来事と言えば…


 〇1年点検後なのにエンジンオーバーヒート。ラジエター液が空。エンジンオイルが蒸発してボンネットから煙が…

 〇運転中に近くに雷が落ちた。対向車線の車が驚きのあまり民家の駐車場に突っ込んでいた。

 〇十字路で信号待ちしていたら目の前左右両方からノンブレーキで車が突っ込んできて正面衝突。2台仲良く路肩へ。


 今見たら全部車関係だな!

 最初のもの以外は私にダメージらしいダメージなし。

 最初のものもすぐ近くに閉店間際のホームセンターがあったので駆け込んでクーラント液とオイルを補充。後日修理工場へ。

 まあ、とても運が悪くなっているのかなんなのか…いや、この程度では運が悪いとは言わんよ。

 ロト6番号まで記入していたのに帰る間際に緊急のお仕事が入り買い逃したヤツが1等だったときに比べれば……へへっ(泣)

 ああ?スマホでネット購入?あの頃そんな簡単に買えなかったよ!


 友人と会い、起きたことを話すとちょっと引かれた。

 十字路信号待ちに関してはちょっとボーッとしていたからワンテンポずれていたんだよなぁ…まあ、ズレていなくても車の状態が状態だったからおっかなびっくり走らせていたから巻き込まれてはいないと思うけど。

 で、お札をもらった。

 そして枕の下に入れておいてくれと念押しされる。

 和紙で二重に包んでいるので問題は無いだろうということだったのでありがたく受け取り、車を知人の修理工場に入れて帰宅。

 メッチャ怒られました。


 で、翌日。

 部屋の中にもの凄い線香の香りがした。

 いやもう高級とかそんなんどうでも良い!視界が!白い!

 慌てて窓を開けて空気の入れ換え。

 ただし窓を開けるだけで扉は開けない。

 そして友人に電話をした。

『出たか?』

「グッスリ。ただ今起きたら部屋が線香臭い挙げ句曇って見えたから窓開けてる」

『……枕の下のお札はどうなってる?』

 言われて取り出す。

 そして和紙包みを1枚外し、もう1枚…

「おおう…」

『どうした』

「真っ黒。あと髪が巻き付いてる」

『は?…髪?』

「うん。白髪交じりの髪。これ包み直して捨てて良い?」

『回収する。電話が鳴ったら通りまで出て来てくれ』

 そう言われたので包み直して、序でに駄目になった自分の符もその和紙の上から封をするように巻き付けた上でビニール袋にin。

 50分後に電話が鳴ったので家を出て通りまで出て友人にそれを渡す。

「……2人掛かりだったのか」

 友人はビニール袋を受け取りながらそう言っていた。

 ただ私としては君子じゃないけど危うきに近寄らず…なのでその台詞をスルーだ。

「で、私はもう大丈夫なのかな?」

「通常なら分からないという所だが、間違いなく大丈夫だ。ただ、暫く余波があるはずだから不幸は少し続くだろうよ」

「車の修理代のことを考えるだけでも十分不幸だよ」

「…それは私が出すから」

 その台詞を聞いたので中古でも良いからとエンジン載せ替えました。

 まあ、軽の中古エンジンだし知人価格で安かったけど…数万だったしなぁ…


 その後は特に何事も無く…いや、数珠があの日から行方不明ですわ。

 部屋の机の引き出しに仕舞っていたのに。

 しかもそれ言ったら友人が「スマン…爺さん今、日本にいない」と滅茶苦茶謝られました。

 あれから十年以上経っているわけだけど、お爺さんとは会っていないんだよなぁ…


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