第2話 昔の実家での話(風呂場)

 色々な意味で怖かった(笑)話をひとつ。

 小学校中学年の夏休み。

 その日も両親はおらず、私は外で遊んでお昼を食べに家へと戻ってきたんですよ。

 レトルトのカレーを食べ…る前に汗だくだったのでシャワーを浴びようとお風呂場へ向かいました。

 台所の入り口に風呂場への磨りガラスの扉があってワンクッションも何もなくそこが風呂場だったんです。

 まあまあ古い建物だったのでお風呂入っていたら台所に誰かいるのすぐにわかるんですよ。

 磨りガラスが唯一のプライバシー(笑え)。

 さて、勘のいい人はこの時点でどんな経験をしたのかもうお察しでしょうがそのまま話を続けます。

 バスタオルと着替えを持って私はお風呂へ。

 もちろん1人しかいないので防犯のため戸締りは確認しております。

 暑かったのでシャワーを浴びていたらお湯を浴びているのにゾクリと。

 瞬間的にお湯が水になるほど冷たくなって、でも冷たいと感じる前に悪寒が走ったのは分かっていて。

 直後でした。

 磨りガラスの扉の前を真っ黒い人が横切ったのです。

 身長170センチ以上の大柄な何か。

 男性女性とかではなくナニカです。

 なぜなら男性もしくは女性であれば服を着ているもしくは裸だとしても全てが真っ黒と言うことはないです。

 全身タイツとかでもない。

 そしてそれが横切った瞬間に私は何を思ったのか速攻で扉を開けました。

 裸で。

 バスタオル片手に飛び出し、体を隠しながら見まわしたものの誰もいない。

 タイムラグはわずか2〜3秒だと思います。

 そしてその間走るような足音もなかった。

 私はバスタオルを身体に巻いた状態で家の中を回って確認しました。

 いや、今思えばもし空き巣いたらどうするのさとか思わなくもないですが、あの時私は人ではないと確信していたのでしょうね。

 人ではないから身の危険はない、なんてことはないはずなのに。

 当然家の中に人の姿はなく、鍵も全て締まっていました。

 これは何かが通り過ぎただけの話。

 もし空き巣だったら怖い話ですね。まあ、だから怖い(笑)話ということで。


 後日談としては同じように1人でお風呂に入っていたら磨りガラス扉の上の方から誰かが覗いているような感じの影があったとかくらいで、それも影人間なのでそこまで怖くはないです。

 まあ、天井に張り付いてのぞき込んでいる…といった感じですね。

 うん。影人間ならそんなに怖くない。

 影人間じゃない普通の人の姿をした幽霊の方が怖いのですよ。

 幻覚かもしれませんが!

 次回はそういった方々との出会いのお話を書きたいと思います。

 ええ、きっとハートフルですよ。

 高熱で死にかけた時のお迎えのお話ですので。


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