第九話 ゆ…幽霊に襲われちゃいますわ!

高倉南たかくらみなみ

名門女子校、フ⚪リス女学院の影の女王とまで言われる彼女。

何故か!?

…それは…学校の男性職員の大半が彼女の言うことを聞いてしまうからで…その中には、教頭先生はおろか校長先生まで…



南「オカルト研究会の承認と活動教室もらったわよ」

三里亜「さっすが南ちゃん!行動早!!」


…いや…「行動早!」とかの問題ではないでしょ?三里亜さん。

あなたがその戯れ言を言い出してからまだ二時間…。


南「もちろん顧問はあたしね!」

明美「先生…中等部の軽音楽部は?」

「あ…あれは解散致しましたの。あなた方がヨーロッパに旅立った文化祭のコンサートを最後に」

三里亜「そっか~悪いことしちゃったかな」

明美「…三里亜、悪いと言えばこれ以上無いくらい悪いよ。一人でヨーロッパに行こうとしたこと未だに忘れてないからね」

三里亜「明美~ごめんって」


この百合コンビ…大方の予想に反して、主導権は明美さんが握っているらしい。


「四歳からの初恋が叶いました」と、ヨーロッパから戻ってきた明美さんは私にこっそりと打ち明けてくれた。

…本当、良かった。三里亜さんが最後まで優さまに執着していたら…私には勝ち目は無かったと思うから。


南「ついでに、優くんと和也くん、拳秀くんの参加と入校許可も取ったから。それと…」

三里亜「…パパでしょ?」

南「さ…沙織さんと五月ちゃんも入れたわよ」

三里亜「南ちゃん、交遊関係、狭!」

南「放っておいて!」


いや…と言うか…もう家族大会になってしまって…軽音楽部もでしたけど…



南「で?初めは何から始めるの?」

三里亜「…そうね…分かりやすい謎解きから開始しましょう。オカルトの王道から」

「…それって具体的には何ですの?」


三里亜「…第一音楽室のベートーベンの絵画が月夜に血の涙を流す…この謎から行ってみよう!」



「いやですわ!絶対にいやですわ!!」

三里亜「そんなこと言ったって、あたしらの中で実際に"視える"の秀世しかいないんだから、しよーがないじゃん!」

「み…視えるからいやなんですわ!」


そう…私には視えるんですの…幽霊…

なんなら色情狂?の幽霊に襲われかけたことも…な…なのにっ!

三里亜さんは何と、夜間パトロールを提案してきた。し…しかも今日!?


三里亜「音楽室では今まで何にも視えてなかったんでしょ?大丈夫よ」

「月夜の晩なんかに視てないですよ~」

明美「ねえ三里亜。お嬢様には視えないと確信しているみたいだけど…じゃあ何で夜、見にいくの?」

三里亜「う~んとね。多分、簡単な謎解きなのよ…きっと」

「ほ…本当ですの?幽霊の仕業では無いのですね?」

三里亜「でも…幽霊の仕業でも面白いわよね」


「ま…まっぴらごめんですわ!優さま助けて~」



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