親探しの吸血鬼娘 チノ(魔法少女編)

「ヤッターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

 ポッポッポッポッポッポッポッ…………ポッポッ…………ポッ……………

「ううん? 」

 はしゃいでいた路地花。

 急に降り出した雨粒を見た。

 ポタポタポタポタポタポタポタ………………

「ええ?! 」

 天井を見上げた路地花。

 不自然な所にある雨雲を見て、頭を傾ける。

「チュチュウゥ?」

「何で、雨雲があるのでしょうか? 」

「水道管はこの下だぞ? 」

「ヂュヂュヂュゥゥゥゥゥゥ…………」

「ヂュヂュヂュヂュヂュヂュヂュウゥゥゥゥゥゥ……………」

 ネズミ娘達も、雨雲の存在に違和感を感じる。

 すると、チノが臭いを嗅ぎ始めた。

「クンクンクンクンクン………………やはり、ここに封印されていましたか。パズルの後ろから出て来なさい! 雨の魔法少女アミ! 」

 ポチョポチョポチョポチョポチョポチョポチョポチョ…………………

「ケケケッ! まさか、あたしの位置がわかるとはね。さすが、吸血鬼の嗅覚だよ! 」

 パズルの部屋の後ろからアミが現れた。

 彼女は、スケスケのレインコートと雨天の文字が書かれたフード付きのドレス、黒いショートヘアーをした爆乳の姿をしていた。

 どうやら、アミは病猫街道が滅ぶまで下水道に封印されていらしい。

「長く封印されてたから、体鈍っているなぁ。一暴れさせろ! レベル15百目蓮! 」

「ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、百目蓮?! 」

 ズッズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーンッ!

 チノは、アミの魔法を聞いて驚いた。

 アミの高等魔法『百目蓮』。

 チノがもっも恐れていた厄災の魔法である。

 その魔法によって、五分も経たずに下水道は膝が隠れるまで水に浸った。

「仕方ないですね! 」

「レベル8テクニカルベクトル! 」

 ジュボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン! 

「我とアルゴ様は、空中からアミに挑みます。路地花様は、柱に掴まっててください! 」

 ズボーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ! バサーーーーーーーーーーーーーン!

 ザサザサザサ…………ザサ……………………

「あ、ああ! 」

 ザボザボザボザボザボンッバシンッ!

 チノは、コウモリの羽を羽ばたかせて空中にいるアルゴの所へ行った。

 その間に、路地花はパズルがある部屋の中に移動。 

「チュチュウ! 」

「チュチュチュチュウ! 」

「チュチュチュチュチュチュウ! 」

「こっちこっち! 」

 ジャボジャボジャボン………………ジャボン………………

 路地花は、ネズミ娘と一緒に三人を勝負がつくまで部屋から様子を覗いた。

「まさか、人間を守るためにここまでするとはなぁ。ひょとして、人間が好きなのか? 」

「まぁ、人間のことは好きです。吸血鬼したいくらいに! 」

「そうか、吸血鬼の個性を感じるよ。だが、忘れているんじゃないのか? 下を見ろ! 」

「ううん? 」

「ううん? 」

 チノとアルゴは、下を見た。

「チュチュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」

「チュチュチュチュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」

「雨水が狭っ来るよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 」

「ヂュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」

「ネズミさん、落ち着いて! 」

 三人が話している間に、雨水がパズルの部屋を飲み込もうとしている。

 早く、倒さないとネズミ娘と路地花の命が危うい状態だ。

「こうなったら、秒で倒す! 」

 アルゴは、コップバッグから出して魔法を叫んだ。

「レベル10鶏と林檎! 」

 ビュッジャバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「え?! 」

 コップと心臓を入れ替えた。

 しかし、ワープしたのは心臓ではなく水の塊だった。

「アミは? 」

「あそこにいます! 」

 アルゴは、慌ててチノが指差す方向を見た。

「ケッケッケッ! 」

 何と、アミは鶏と林檎に耐えきっていたのだ。

「あたしの、体と服は雨水出来ているんだ。即死魔法は効かないよ! 」

「そっ…………そんなぁ………………」

「ううん………………」

 強い力を見せつけたアミ。

 笑っていると、路地花とネズミ娘の存在に気づく。

「ケッケッケッ…………ううん? 」

「チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……」

「ううん! 」

「おお、怖え怖え。ネズミ娘も人間も生きてやがる」 

「アミ。まだ戦う気ですか? 」

「うーん。いやもう満足だ。レベル10クラウディアワープ! 」

 スポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「うーん……………」

「何と言う強さなの………………」

 アミの力に圧倒されたアルゴとチノ。

 だが、クエストはまだ終わってはいない。

「さぁ、ネズミ娘さん置いて先へ進みましょう! 路地花さん! 」

「あ、ああ…………じゃあね。ネズミさん! 」

「チュッチウュウ!!!! 」

「チュウ!!!!!! 」

 




 


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