異世界人好きのプーカ娘 アツ(パズル編)

 狐狸山脈の山道を歩いて一時間。

 暗い森は、まだまだ長く続いていた。

「ハァ…………ハァ…………長いね、いつまで歩くだろう? 」

「後三十分ぐらいで狐耳神社だよ! 」

「アツ、なんで解るの?! 」

「確かアツは、二年前に来たのよね」

「アルゴ、それあたしのセリフ! 」

「まぁまぁ」

「それより、アツ」

「どうしたの、路地花? 」

「アツはあの時、どうして巫女さんを殺したの? 」

「あーそのことね」

 アツは、五秒ぐらい間を開ける。

 そして、改めて質問に答えた。

「質問の答えは、『殺してはいない』」

「ええ? 嘘でしょ?! 」

「本当だよ! 音で驚かしただけだからね。いずれ、復活するよ」

「じゃあ、何のために、攻撃したの? 」

「路地花以外の人間がウザかっただけだ。あたしにとっての人間は、異世界人だからね! 」

「ウザいにもほどがあるよ」

「とにかく、早く会いたいのがいるんだ。早く神社へ行こう! 」

「うん!! 」

 路地花とアルゴは、アツ後ろについて行った。


 狐耳神社に着いた。

 石畳に囲まれた社の階段に、狐耳の巫女が座っていた。

「おお、御一行がいらっしゃいましたか。見習い巫女が迷惑をかけてすみませんね」

「いえいえ。あたし達は神社で休憩したいだけだよ」

「休憩? なら、暇つぶしパズルでもどうですか? 東堂に木で出来たパズルがあります。それに、挑んでみてはいかがですか? パズルを解くともっと楽しいことがありますよ」

「パズル? やりたい、やりたい! 」

「おお、そこの人間さん嬉しそうですね。では、案内しましょう! 」

「やったぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

「ふふふふ♪♪♪ 」


 

 狐耳神社東堂。

 正方形の木の床上に、ガラスの棺と木の箱と大量の管があった。

 ガラスの棺二番、茶色いロングヘアーをした全裸の爆乳娘がいる。

 しかし、目的はガラス棺ではない。

 路地花は、管を持って木の箱の前に立った。 



 管狐のルール


 『・』は一本、『2』は二本、『3』は三本、『4』は四本、管が入ることを表す。

 管は折ったり割ったりしてはいけない。

 数字が正しくなるように管を通せ。


 表


 ・ 2 2 2 2

 2 ・ ・ ・ ・

 2 2 3 ・ 2

 ・ 3 3 2 ・

 2 ・ 4 2 ・


「おーおーおー…………これ、暇つぶしにやるには、簡単過ぎるかなぁ…………」

「ええ?! 」

「もう、解ったの? 」

「まぁ、観てて! 」

 路地花は、管を箱に通す。

「行くよ! 」

 ストーンストーンストーンストーンストーンッ! 

「え? 」

「は、早い! 」

 ストーーーーーーーンッ!

「終わったーーーーーー! 」

 アルゴは、箱の中を覗いた。

 何と、数字通り管が通っていたのだ。

「こんなものかなぁ! 」

 すると、管からにょきにょきと狐の頭出てきた。

 ニョキニョキスポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「ええ? 」

 スポンッスポンッスポンッスポンッスポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「く、く、く、管狐? 」

「パズルの名前かと思ったら本当に出て来たよ! 」

「これが、巫女さんが言っていたもっと楽しいこと? 」

 大量の管狐は、ガラスの棺すり抜けて茶色いロングヘアーの爆乳娘に憑依。

 そして、ガラスの棺は、ガバッ大きな音を立てて開かれた。

 ドンドンッギイィ…………



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