異世界人好きのプーカ娘 アツ(ザコ敵編)
馬車で移動して、二時間。
路地花達が真っ暗な山道を歩いていると、二体の狐の像と赤い鳥居についた。
すると、狐と狐の間に謎の塊があった。
「ううん? 」
「空間が歪んでる? 」
アツが指差す紫色の塊。
その塊は、ウニャウニャと形を変えるように動いている。
それを見つけてから、一分後。
「レベル9化け狐の抜け穴! 」
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」
叫び声と共に、路地花三人は尻もちをついた。
現れたのは、ポニーテールの巫女とおかっぱ頭の巫女。
路地花達を怪しい者だと思ってやって来たようだ。
「そこの魔物! 」
「人間に危害加えるなら、帰りなさい! 」
二人の巫女は、戦闘態勢に入った。
最初に動いたのは、ポニーテールの巫女。
ポニーテールの巫女は、路地花達のお腹を見てから左手を握り締めた。
「レベル10偽胎! 」
ピュンッピュンッピュンッ!
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「お腹がいだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」
「ううん、まさか、孕ませたりなどしてないよね! 」
「馬の魔物よ。これは、魔法ではない! 」
「えっ?! 」
「この魔法は、孕んだときの痛みを再現する魔法だ」
「魔物を苦しめるには丁度いい魔法だよ! 」
すると、路地花が苦しみながら答えた。
「あたしは、人間だよ! 」
「何?! 」
「あたしとしたことが…………」
何と言うことだろうか?
人間を守る巫女が人間に危害を加えてしまったのだ。
「わたしに任せてください! 」
「頼む! 」
おかっぱの巫女は、失敗を打開するために魔法を使う。
おかっぱの巫女は、白いヒラヒラのついた棒を横にして路地花達に見せた。
「レベル10魔法払い! 」
スパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
スパスパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「おお…………」
「お腹痛くない! 」
「よかったわね路地花、アツ! 」
「うん! 」
「ふぅぅぅぅぅぅ………………」
「どうしたのアツ? 」
「二人には悪いけれど勝手にやる! 」
「え?! 」
スポンッ! ピューーーーーーーンッ!
「え?! 」
「馬の魔物。助けたお礼は言わないのか? 」
アツは、後ろから巫女の後ろに回った。
助けられたと言うのに、お礼言う気持ちみじんも無い。
それどころか、アツものすごくイライラしていた。
「悪いね。骨まで響く歌で眠りなよ」
アツは、二人の巫女の耳に人差し指を入れた。
そして、魔法を叫んだ。
「レベル8ムジークガン! 」
ボーンッ! ボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
ドターン! ドターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
二人の巫女は、あまり大きい音聴いて打っ倒れてしまった。
アツは、スッキリしたのか怒り顔からニコニコ笑顔に変わっている。
「さぁ、次へ行こう! 」
「う、うん! 」
「行きましょう! 」
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