病み母の熊娘 サイクマ(ボス編)

 吸血の魔法少女を倒した路地花達。

「よおし、これでクエストクリアだね」

「路地花。まだ、終わってないよ! 」

「ええ? 」

 浮かれていた路地花は、サイクマのチェーソーの先を見る。

 バササッ! バサササッ!

「ううん? 」

 上から耳障りな音を立てながら、ポスターが一枚二枚と落ちている。

 バササッ! バサササッ!

 音はどんどん大きくなり、鼓膜まで響きそうな音変わっていく。

 そして、足が大量のポスターにっなている吸血娘が落ちてきた。

 ザボオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!

「ふう。我が下級女神を倒すとは素晴らしい強さだな。冒険者達よ」

 ゆっくり立ち上がる吸血娘。

 その姿は、白いベリーショートと白い肌、黒い襟の白背広をした女性。

 どうやら、彼女がこのダンジョンのボスのようだ。

「あなたが、吸血の女神カミラ? 」

「いかにも。あたしは、吸血の女神カミラだ。ここに、冒険者がいると言うことは、県知事選を行うと言うことだな」

「そうよ! 」

「いいだろう。ただし、あなた腕次第だ! 」

 カミラが大きく天井まで飛んだ。

 旧神魅羅県庁のボス戦の始まりだ。

 最初に、カミラが足にあるポスターを放出する。

「レベル9吸血鎌鼬! 」

 ピューーーーーーーーーーーーンッシュポォーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 ピューーーーーーーーーーーーンッシュポシュポォーーーーーーーーーーーンッ!

 シュポンシュポンシュポンシュポンーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 無数の紙が複雑な動きを繰り返している。

 路地花達、腕防ぐのに精一杯。

「いだぁ! いだだあっ! 」

「そ、即死でわないが確実に切り傷を与えている」

「いい攻撃だよ。少しずつ僕達を延々の存在にしてくれるんだね。けれど、それはどれくらいでできるかなぁ? 」

 ガチャッ! 

 ギュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ!

「何、そんなもの、あたしの紙で包んでやる! 」

 シュポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 シュポンシュポンシュポンシュポンシュポーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 グニュニュニュゥンッ!

 ブウウンッ!

 カミラは、紙でチェーソーと腕固定。

 サイクマは、攻撃ができない状態になった。

「ふふんやるねぇ! けれど、僕の魔法は、チェーソーだけじゃないよ! 」

「な、なぬ? 」

 サイクマは、左手を広げた。

 魔法を叫んだ。

「レベル10病み熊の薬! 」

 シュポーーーーーーーーーーーンッ!

 サイクマは、左手に十一錠の薬を召喚。

「どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「チェーソーは、無駄だ! 」

「どりゃあぁ! 」

「ぶぐうっ…………………………」

 ドサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ……

 サイクマは、チェーソーで脅した後、薬をカミラに飲ませた。

「ブホッ………………………………………………」

 これにより、カミラは薬の作用で血を吐き出して気絶。

 路地花達のクエストがやっと終わった。

「ふふん。やったよ! 路地花! 」

 ビシンッ!

「うう………………………」

 しかし、サイクマは路地花の出番を奪ってしまった。

「やっぱり、約束破ってるじゃない! 」

「振り向きざまにビンタなんてズルいよ! 」


 その翌日、路地花達は、報酬66000Gを入手。

 そして、神魅羅県県知事選が行われた。

 

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る