病み母の熊娘 サイクマ(ザコ敵編)

 旧神魅羅県庁。

 ここは、100年前まで選挙の投票所だった場所。

 県知事よると、そころは七万人もの吸血鬼が投票に来たらしい。

 今は、吸血の女神によって冒険者以外立ち寄れない場所となった。

 路地花達三人は、これから、吸血の女神を退治するためにガラス戸を開ける。

 ギギギギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ……

「ううん? 」

「可愛いわね! 」

 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…………

 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…………

 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…………

 小さな、折り鶴が一羽二羽三羽。

 次から次へと路地花達に集まって来る。

 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…………

 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ…………

「どんどん増えてるね! 」

「僕達に懐いているのかな? 」

「きれぇい! 」

 赤、青、黄色、白、緑、黒、桃色、灰色、茶色、オレンジ。

 色々とりどりの折り鶴は、もう一万羽以上。

 花畑のように広がった。

 しかし、その折り鶴は、旧神魅羅県庁の番人の一部だったのである。

「我ら、吸血折り鶴つるぼっこ! 」

「全員集合しました! 」

「つるぼっこ、魔法準備開始! 」

「レベル8ブラッドキャノン! 」

「撃ち方始め! 」

 プシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!

「よっと! 」

「ううん! 」

 路地花とアルゴは、つるぼっこの血のビームをブレザーで防ぐ。

「うん…………」

 しかし、サイクマのビチャビチャと真っ赤に染まっている。

 すると、サイクマは、路地花とアルゴに指示を送った。

「ブレザーで頭を包んで! 」

「え?! 」

「うん、解った! 」

「ああ、あたしも! 」

 路地花達は、指示通りに頭を包んだ。

 そして、サイクマは、チェーソーを起動させる。

 ギュゥィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ……

 グウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーン

「確かつるぼっこだけ? 」

「びゅっ……………」

「フラッシュモブありがとう。僕がもっと良いフラッシュモブにしてあげるよ! 」

「びゅびゅ…………」

「びゅびゅ…………」

 つるぼっこ達は、何も指示もなく血のビームをやめた。

 何もできないまま、サイクマの魔法が放たれる。

「レベル9 病み熊の威嚇」

 ギュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ!

 ブフォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!

「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 パンッ!

 パサアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン…………

 つるぼっこは、一瞬にして粉砂糖のような紙の雪に変身。

「ふふん……いいホワイトクリスマスだね! 」

「サイクマ。今は真夏の雪よ」

 紙の雪が床に積もった後、三人建物の中へと入っていった。

 

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