子護りのミノタウロス娘 カミス(パズル編)

 第一関門クリア後。

 歩いて二十分の所に、五階建てのアパートのようなところにやって来た。

 路地花の肩掛けショルダーバッグにある地図によると、モンスター娘の長屋らしい。

「アルゴ、カミス、ザザ。ここが、魔法少女の棺がある長屋らしいよ」

「路地花、何でわかるの? 」

「地図の裏に書かれてたよ」

 ズゴッ!

「このダンジョン、ぬるくないか? 」

「オレもそう思う! 」

「たまたまだよ。それにヒントが無かったら攻略出来ないよ」

「……そうだな」

「じゃあ、クエストを攻略しよう」

 路地花は、長屋の壁にあるポスターの所へ歩いて行った。


 屍鳥海賊港町モンスター娘長屋の論理パズルのルール


 五つのヒントを読んで、魔法少女がいる部屋を見つけよ。



 表


 【25】【26】【27】【28】【29】【30】

 【19】【20】【21】【22】【23】【24】

 【13】【14】【15】【16】【17】【18】

 【 7】【 8】【 9】【10】【11】【12】

 【 1】【 2】【 3】【 4】【 5】【 6】



 ①一桁の部屋は、ゾンビ娘。

 ②二桁の3の倍数は、セイレーン娘。

 ③二桁の素数は、マーメイド娘。

 ④真ん中の階を除く、6部屋はセルキー娘。

 ⑤14号室は、誰もいない。



「素数かぁ…………」

「そ、ソース? 」

「ピザに塗るあれ? 」

「カミス、ザザ。それは、トマトソースだよ! 」

「路地花、二人の受け狙いよ。気にしないでパズルを攻略して」

「うん、わかった! 」

 路地花は、肩掛けショルダーバッグから磁石を出した。

 磁石には、それぞれ『ゾンビ』、『セイレーン』、『マーメイド』、『セルキー』、『無人』と書かれている。

 どうやら、パズルを解く為の消去法として使うようだ。

「さっそく、ヒントの通りに動きましょう」

 最初に一階のドアに磁石をはる。

 ビダビダビダビダビダビダ!

 階段を上って次の二階へ。

 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン……

 そして、ドアに磁石をはる。

 ビダビダビダビダビダビダ!

 階段を上って三階へ。

 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン……

 ドアに磁石をはる。

 ビダビダビダビダビダビダ!

 階段を上って四階へ。

 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン……

 ドアに磁石をはる。

 ビダビダビダビダビダビダ!

 そして、最後階へ行って磁石をはる。

 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン……

 ビダビダビダビダビダビダ!

「よし、解ってきた! 」

 路地花は、三階へ戻って正解の部屋のドアを開けた。

 ガダン!

 ドアが開い後、ガラスの棺が開く。

 ガダーーーーーン!

 現れたのは、白いセイラー服と白いベレー帽をした青いショートヘアーの魔法少女。

 その魔法少女は、背中の白い翼を羽ばたかせて路地花の所に向かおうとしている。

「わたしの名は、うみねこ娘の魔法少女ジャス。屍鳥海賊を倒した英雄だ。人間よ、わたしを超える力を見せてくれ! 」

 ジャスは、手から水を出して呪文を叫んだ。

「レベル8ウォーターアンカー! 」



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る