子護りのミノタウロス娘 カミス(ザコ敵編)

 蒸気機関車に乗って一時間後。

 路地花達四人は、屍鳥海賊港町にやって来た。

「駅を出るの三分だったね。吉祥寺駅より早いよ」

「え? 現世の駅って出るに時間かかるの? 」

「いやぁ、たまたまだよ! 『これが田舎のなのかぁー』と思っただけ」

「うーん。とにかく、行くよ! 」

「うん! 」

 五分くらい会話した後、空から白いワンピースをした金髪ショートのうみねこ娘が飛んで来た。

 それを見たカミスの親子は、戦闘態勢に入る。

「さっそく最初の相手か? 」

「お母さん、早く戦おう! 」

 とその時、うみねこ娘の後ろから半裸の爆乳のゾンビ娘がうじゃうじゃと歩いていく。

「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」

「ブウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……」

 三十メートル……二十メートル……

 十メートル歩いたところで、ゾンビ娘の上を飛んでいるうみねこ娘がしゃべり出した。

「あたしは、ここのダンジョン住むセイレーンの一人。ここを通りたければ、ゾンビ娘から、肩掛けのショルダーバッグを奪いなさい」

「うん!!! 」

「うん! 」

 どうやら、セイレーン娘はダンジョンの番人だった。

 カミスとザザとアルゴは、改めて戦闘態勢。

 そして、アルゴから順に魔法を使う。

「レベル8テクニックカルベクトル! 」

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサッ!

「ブウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……」 

「ブウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……」

 アルゴは、十本の十字架を操ってゾンビ娘の両腕を次々と撃ち落とした。

「ぐふぉ………………」

「三十体ぐらい、倒したわ。カミス、次お願い! 」

「うもお! 」

 次にカミスが魔法を使使った。

「レベル5ミルクキャノン! 」

 ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 ブシュゥゥブシュゥゥブシュゥゥブシュゥゥブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

「ブフアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……」

「ヴァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…………」

 カミスが放つ無数の白いビームで、ゾンビ娘達は次々と腕を撃ち落とされる。

 そして、二十発くらいなった後、カミスはビームを放つのをやめた。

「ザザ、次は任せた! 」

「うん! 」

 次魔法を使うのは、ザザ。

 ザザは、足先がギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン赤く染める。

 そして、ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッと大ジャンプをした。

「ヴワ?! 」

「レベル5 600tキック! うりぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!

 煉瓦の地面は、ガラガラ飛び散った。

 しかし、ゾンビ娘達は、ほぼ無傷。

「ぐうう?! 」

「え?! 」

 不発に終わったザザの魔法。

 そんな彼の後ろで、路地花の大きな声が聞こえてきた。

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……」

 なんと、静かになった所を狙って、ゾンビ娘から肩掛けショルダーバッグを奪ったのである。

「ナイス! ト! 」

「え?! セイレーンだけに? 」

 セイレーン娘は、人間路地花の思わぬ活躍を見た。

 アルゴにダジャレに対する良いツッコミを入れたのである。


 


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