子護りのミノタウロス娘 カミス(クエスト編)

 七月一日。

 すでに日が昇っている夏の朝。

 ミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミン…………

 ククウォシククウォシククウォシククウォシククウォシククウォシククウォシ…………

 蝉声が魔法少女の家に響いている。

 それに負けないように、廊下では、トコトコ歩く音が聞こえ聞こえていた。

 路地花とアルゴだ。

 彼女達は、おしゃべりしながら部屋を探していた。

「アルゴ。その灰色のブレザーとうさ耳ヘアーいいね。まるで、あたしの妹みたい! 」

「灰色のうさ耳帽子も褒めなさいよ! 」

「ごめん、ごめん! 」

 話が終わると、二人はリビングにやって来た。

 そこには、丸いローテーブルのとなりに座るミノタウロスの親子がいる。

「待ってたよ、アルゴ! 」

 左にいるのは、カミス。

 いつもとは違い、黒いジャケットを来ている。

「よろしくお願いします。アルゴさん! 」

 右にいるのは、カミスの息子のザザ。

 カミスと黒いジャケットと黒いパーマをしている。

 二人は、アルゴと路地花が来ることを楽しみにしていた。

 その理由は、路地花が右手に持っている紙だ。

「路地花。早く依頼書を見せてくれ! 」

「早く早く! 」

「あー今から見せるからかさないでよ! 」

 路地花は、依頼書を開いた。

 内容は、『屍鳥海賊アジト跡前港町 報酬60000G メンバー記名 ターエ・アルゴ ソウラ・カミス ソウラ・ザザ 横丁路地花 』

「おお、懐かしいな。この港町」

「うん! 」

「え?! カミス達は元海賊だったの? 」

「ううん」

 ザザは、路地花の話を聞いて頭を横に振る。

「あたし達は、屍鳥海賊の奴隷だったんだ。ザザはその時に産んだ息子だよ」

「しかし、アルゴさんがオークションで買ってくれたおかげでオレ達は助かったんだ」

「改めてありがとう! アルゴ! 」

「うん! どういたしまして! 」


 四人は、玄関を出た。

「いやぁ、あのアジトは、今どうなっているかなぁ! 」

「それは、行ってみないとわからないよ。オレも久しぶりだからね! 」

「うん! そうだな! 」

「そろそろ行くよう! 」

「早く早く! 」

「はーい!! 」

 カミスとザザ集まった後、アルゴは新しい魔法使う。

「レベル8 テクニックカルベクトル! 」

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 そして、路地花達は、魔法少女の家から最も近い駅飛んで行くのであった。

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る