重絆のブラックドッグ娘 ゲイド(ボス編)

 豪雪妻山の集落の入り口。

 まだまだ降り積もる雪の中。

 路地花とアルゴとゲイド達は、山道で笠を被ったお地蔵さんを見つけた。

 そのお地蔵さんは、奥から手前まで山道を見ながら一列にならでいる。

「え?! アルゴ、これって笠地蔵よね? 」

「この先は、雪女の村のはずよ。おじいさんもおばあさんもいないわ」

 路地花とアルゴが話していると、地面が揺れ出した。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………

「何ですか? 」

「じ、地震?! 」

「大変です! 」

「大変です! 大変です! 」

 慌てふためくブラックドッグの姉妹。

 それを落ち着かせるかのように、お地蔵さんが飛んで行く。

 シュパァァァァァァァァァァァァァンッ! 

 シュパシュパシュパシュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!

 シュパシュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!

「ううん?! 」

「ううん???? 」

 ゲイド達は、一斉に飛んでいったお地蔵さんを見る。

 そして、そのお地蔵さんは、光の玉包まれて一体の大きいお地蔵さんとなった。

 ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!

「レベル7北陸のスノーウォール! 」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーンッ!

 大きな雪のドームを造ったお地蔵さんは、路地花達の目の前に立った。

「我が名は、七面地蔵。上半身に七つの頭を持つ、豪雪妻山の番人だ。ここを通りたければ、我らを倒せ! 」

「簡単には、通らせてくれないようね! 」

「うん! 」

「うん!!!!! 」

 七面地蔵とのバトルが始まった。

 最初に動いたのは、七面地蔵。

「いざ、我が魔法を受けるがいい! 」

「グワッ! 」

「グワッグワッ! 」

「グワッグワッ! 」

「グワッ! 」

 七面地蔵は、胸元、肩肘、背中の順に口を開けた。

 そして、口から六つの光の球を作り出す。

「レベル7地蔵菩薩砲…………撃てえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 」

「グワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!! 」

 六発のビームが、六つ方向に飛ぶ。

 飛んで来たビームは、雪の壁に跳ね返って路地花達に襲ってきた。

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 ビュンビュンッ!

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

「うわあっ! 」

「ビームがこっちに襲ってきます! 」

「あわわわわっ! 」

「あわわわわっ! 」

 すると、後ろから、アルゴの声がした。

「レベル8キャスリングマジック! 」

「うわっ! 」

「ワン? 」

 路地花とゲイドの位置が入れ替わる。

 そして、ゲイドにビームが命中した。

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

「ワオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ……」

「ゲイド姉様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 」

 ゲイドは、雪の壁まで吹き飛んでいった。

 

 一方、路地花は、槍のような状態でアルゴに掴まれている。

「レベル5ベクトルシュート! 」

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 グサッ!

 路地花が、雪の壁に刺さった。

 そのタイミングで、アルゴの所にビームが飛んで来る。

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

「来たわね! レベル5ベクトルシュート! 」

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 ガラガラガラガラガラガラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!

 どうやら、アルゴがゲイドとアルゴの位置変えたのはこの時のためだったようだ。

 路地花を楔にして、魔法で跳ね返したビームで雪の壁を破壊する為だったのである。

 それによって、複雑に飛んでいたビームは、外へ向かうかかのように飛んでいった。

「…………うん…………我らの負けだ、壁を失った我には、打つ手は無い。雪女の集落へ行け」

「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! 」

 アルゴとゲイドの妹達は、七面地蔵を倒して大喜び。

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」

 しかし、路地花とゲイドは、ビームでボロボロ。

「ううん…………仕方ないわね…………」

 アルゴは、バッグにあるサイクマの薬で、倒れた二人を治療した。

 


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