重絆のブラックドッグ娘 ゲイド(魔法少女編)

 ベクトル地蔵クリアした路地花達。

 鶴の魔法少女紅乱による第二関門に挑んだ。

「うーん……」

 路地花は、褐色島の洞窟のことを思い出した。

 炎の魔法少女のバアンは、不意打ちでゼニガタを苦しめた。

 あの時みたいに、敵から攻撃をさせれば攻略法がわかるかもしれない。

 路地花は、紅乱を挑発した。

「おーい! おーい! 帽子の下はハゲなんじゃないの! おーい! おーい! 」

「ううん! おのれに、人間如きに。魔法少女を侮辱にすると、お痛じゃ住みませんよ! 」

 路地花の指差しにいらついた紅乱。

 彼女は、袖から機織りの木の道具を糸がついたまま飛ばした。

「レベル8テクニカルベクトル! 」

 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 シュゥゥゥッシュゥゥゥッシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

 シュシュシュシュシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!

 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!

「うわっ! あわわわわっ! ワァッ! 」

「逃がしませんよおぉ! 」

「すごい、お怒りね…………」

「アルゴさんわたくし達は、安全な所へ逃げましょう! 」

「そうね! 」

「ワン!!!! 」

 アルゴ達が逃げている間に、紅乱は十二本の木の道具で路地花を狙う。

 一発、二発、三発、四発、五発、六発、七発、八発、九発、十発、十一発、十二発……。

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 繰り返される逃走の末、路地花は左腕を取られたのである。

「人間など他愛もございません! 」

 紅乱は、糸に魔法をかけようとした。

 と、その時。

 ギュッ!

「ううん?! 」

「ふふん、この時を待ったよ! 」

「ええ?! 」

「ワン????? 」

 ゆっくり立ち上がる路地花に、アルゴとゲイド達の目線が動く。

 そして、路地花は大きく糸を振り回した。

「レベル12…………」

「レベル12? 」

「ブラックジャックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」

「ふわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」

 紅乱は、岩の壁めり込んで気絶。

 路地花は、知恵と物理で魔法少女を倒した。

 パチパチパチパチ!

「ううん?! 」

 拍手をしながらアルゴがやって来た。

 レベル12の魔法が使えたからだろうか?

 しかし、アルゴが言いたいのはそのことではなかった。

「路地花。レベル12の魔法が使えるのは嘘だよね? 」

「うん! 嘘だよ! レベル何とかと言うの一度言ってみたくて」

「まあ、魔法じゃなかったけれど許すわ」

 魔法が使えない女子校生路地花。

 使えないとはわかっていても、魔法を使いたいと言う憧れはあったのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無能女子校生路地花と十人の悪友 セレンとセシウム @ddancm-d

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ