ゼニガタアザラシのセルキー娘 ゼニガタ(ボス編)

 褐色島村の洞窟の近く。

 路地花とアルゴとゼニガタは、ドラゴンの石碑の前にやって来た。

 その石碑には、バアンとドラゴン娘の伝説が書かれている。

 かつて、邪神ザクルによって唐辛子の栽培が禁じられた村を魔法少女とドラゴン娘が救ったと言う伝説である。

「へぇ~。あたし達は英雄級の魔法少女と戦ったのね」

「それにしても、何で、ザクルは唐辛子の栽培を禁止したのかな? 」

「甘党だったらしいわよ。石碑に書かれているわ」

「ううん? 」

「ううん? 」

 路地花とゼニガタは、石碑を確認した。

 確かに、マンゴーらしきものを食べるような絵が刻まれている。

「はぁん…………」

「邪神様は味覚が子どもなのね」

 ボオオッ!

「うわわっ!! 」

 突然現れた火の玉を見て路地花とゼニガタが尻もちをつく。

 そして、炎がシュゥゥゥッと消えて、ドラゴン娘が現れた。

 白いロングヘアー、ドラゴンの骨の鎧、黒い鱗、褐色の肌と爆乳。

 石碑に描かれた絵と同じ姿である。

「あ、あなたがドラゴン娘? 」

「ドラゴン娘は、邪神の国のどの場所にもいる! 我は、黒焔竜のリパ。神殺しの実の番人である。神殺しの実を欲しければ、我を倒せ! ふぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ! 」

 褐色島のボス戦が始まった。

 リパは、頬を膨らませた後、路地花に向かって一気に吐き出す。

「レベル5 フレイムブラスト! う゛おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 」

「うあ………………」

「危ない! 」

「うん! 」

 アルゴとゼニガタは、路地花の危機に築き同時両手を出す。

「レベル5 ベクトルシュート!! 」

 キュインッキュンッ!

「ううん? う゛わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 二人は曲げたビームがリパに命中。

 リパは、火達磨になった。

「よおし、これでクリア! 」

 路地花が立ち上がろうとしたその時。

「とは、ならないぞ! 」

「え?! 」

 シュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!

 何と、リパを纏った炎が消えた。

 しかも、火傷一つも無い。

 どうやら、リパには炎が効かないらしい。

 バサンッ!

「もうつては、無くなったな! 」

「や……やばい……」

 骨の羽を広げながら、リパは路地花を睨みつける。

 もう、クエストは、失敗に終わるのだろうか?

 と、その時。

 ジャサッ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 路地花が小石を踏んで転倒。

「しめた! 」

 チャンスと見たアルゴは、小石に魔法かけた。

「レベル5ベクトルシュート! 」

 ゴツンッ!

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」

 小石がリパの顎に直撃。

 脳震盪のうしんとうで気を失ったリパは、岩を枕にして倒れ込んだ。

「ありがとう、アルゴ! これで、クエストクリアだね! 」

「それは、早いわ! 」

「え?! 」

「あたし達のクエストは、お宝をもらって帰ること。戦うだけが目的ではないわ」

「……うん! そうだね、アルゴ! 」

「では、神殺しの実を取りに行きましょう! 」

「うん! 」



 

 

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