第14話
”千尋ちゃん”は、「淡い恋愛体験しかない」らしいが、Virgin かどうかまでは聞きそびれた。この間童貞喪失したばかりで、もちろん処女とのまぐわいとかも未経験。
「ねえ?こういうところに入ったことある?」
遠回しに探りを入れてみた。
「こういう、ラブホ?」
「うん」
「あるよ。1年くらい前。」
「恋人やった人かい?」
「その時は、まあ、援助交際ていうかんじやったです」
「じゃあ、ちょっと休んでいくかい?」
…しばらく思案投げ首の体だったものの、「いーわよ」と、わりと明るい声でOKしてくれて、千尋ちゃんはニコッと笑った。今日の総決算というか、デート全体がまあまあいいムードだったので、おれもこのまま帰るのがなんかもったいない感じだった。もうちょっと親睦を深めたいなあ?しきりにそういう想いが募っていた。
ホテル「モロッコ」というのが、豪華に見えたので、入ってみることにした。
ヨーロッパの王宮?風のつくりというのかな?全体にエキゾチックな装飾のきらびやかなホテルである。
…部屋の中も、ラブホにしては広々していて、浴室はシースルー。ベッドも大きくて、なんとなく居心地がよい空間だった。新築間もないらしい。
「シャンデリアかあ。まじかで見るのは初めてかも」
「おれも。実家はド田舎やし」
「ちょっとFEEがイクスペンシヴやけどね」
「英語!リーズナブルの反対語かあ。」
「英検準一級やから」
「あはは?おれ二級落ちたぜ」
「あはは」
ホテルまで来てくれたものの、千尋ちゃんが本当に”寝て”くれるか、応諾可否の返答はもらっていない。おそるおそる、「お風呂入ってみる?」と、お伺いを立ててみた。…
<続く>
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