第10話

 

 男色とかゲイとかオカマとか、そういうsexual minorityの類の人でも、見た目は特に変哲はないのだな?と、体格のいいあんちゃんたちにレイプ?されながら、おれは脳天気に、逃避的に?場違いなことを考えたりしていた。


 あるいは、”両刀使い”というのもありうる。たくさんのLGBT…のうちに細かい個々のケースがあるんだろう。


 文学部で、小説類は色々読んだりして、レズだの男色だのが、普遍的に普通に世間に流布しているのも熟知していた。


 性的嗜好の様々なパターンのそれぞれに違った、なんというか特殊な味?風合い?興趣?少しハズイような言い方だが、オカマを掘るのにも掘られるのにも?違ったヨさがあるんだと思う。


 …えっちな「撮影」は、2時間くらいでやっと終わって、おれは2万円もらって、晴れて自由の身になった。


「グラビアが載っている『黒薔薇』は送るからね」

「あの…目にはカゲが入るっていうか素顔が見えない修正してくれるんですよね?」

「ああ、しておくよ」


… …


 数週間後に届いた「黒薔薇」には、グラビアに、「童貞君の恥ずかしい初体験!全部ま~る見え!」という特集で、4人くらい同じような初々しい10代のヌードが載ってあって、おれは一番初めだった。


 陰部と表情は隠してあったが、自分ではおれだとはっきりわかる特徴の、かなり露骨でなまめかしい肉体が、縦横無尽に?大胆素敵に?さらしつくされている、という感じで、3ページのカラーフォトで煽情的に構成されていた。


 「わ~すごすぎる!ほんとうに〇っちゃってる!」


感動して?思わずピエロの「佳さん」に、その写真の”スクショ”をスマホで写して送ってみた。


 「驚いた~😲 あんたって、そういう趣味? こんど知り合いのゲイのお兄さんと3Pしよっかw」


 佳さんからそういう返信が来たが、おれはホモのほうはこれ切りにしようと思っていた…あの日以来、男と口を利くときに意識して話しにくくなったり、はては明太子とかソーセージとか、そういう風な形状のものにまでなんだか恐怖感を覚えるようになっていて、ノイローゼ気味になったからだ。


 

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