第8話

 

 ラブホテル・「ナルキッサス」の、文字通り「鏡の間」…、合わせ鏡だらけの異空間?に、めくるめく異次元めいた官能空間?、エッチな迷宮に、無防備で無垢なstray sheep が思いもよらずに迷い込んでしまったような気分のまま、いつのまにかおれは全裸体でベッドに横たえられていた…脳味噌にはピンク色のもやもやがかかっていた。

 「う、うん!ああん…嫌っ!」

 羞恥のあまり、半ば無意識に首が振れて、悶え声が漏れてしまう。

 照明はオレンジ色で、なまめかしい雰囲気。

 男たちもほぼ全裸で、ベッドを取り巻いていた。


 「こわがらなくてもいいんだよ。童貞君。まだ自己紹介済んでなかったね。おれは一郎。こいつが次郎。」

 「おれが三郎だ」サングラスがニヤッと笑った。

 「あ!ぼ、ボクは…ユキオといいます。今日に童貞を喪失したばかりで…お尻は処〇ですけど」


 男たちが弩っと哄笑した。

 ペニスはさっきからぴーんとそそりたっていて、紅潮もしていて、それだけでも身をよじりたくなるほどに羞ずかしい。

「フフフ…ビンカンなんだなあ、ユキオは」

 三郎がその硬直した幹にそろそろと手を伸ばしてくる。

 一郎と次郎は両側から太ももを開かせて、少し立膝に角度をつける。

「ああん!恥ずかしい!見ないでー💓」

 M字開脚の羞恥ポーズを取らされて、女の子のような悲鳴を上げてしまった。


 「ウヒヒ…キモチよくしてやるからよお!じっとしてな!」

 男たちはにやにやしながら、慣れ切った様子で心得顔をして、手取り足取り、絡みついてくるのだった。


<つづく>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る