2,脇役の非日常
「はぁ~疲れた」
誰もいない薄暗い道でひとり呟いていた
あの一件で寿命が一気に減った気がした
なんであのことを知っているんだ。あのことは誰もしらないはずなのに、
トボトボした足取りで家に帰った
「た、ただいまー」
もちろん誰も玄関に出迎えなどしてくれない
そのまま自分の部屋に行って着替えてリビングへ行った。僕はこの部屋では肩身が狭い。なんせ…
「あ、帰ってきてたんだ」
「げ…」
「帰ってくんの遅かったから勝手にご飯食ったから。キッチンにおいてあるご飯買ってにチンしといて」
そんな事を言って豪快にソファーに座ってテレビをつけてみていた。彼女は東。影山東といえばわかるだろうか。要するに姉だ。3つ上の18歳。僕はあまり東のことをよく知らない。高校卒業してから何をしてるんだか
ドンドン
上から書いて段で降りてくる音がしてきて
「あ、帰ってきてたんだ」
「う、姉妹一緒に同じことを言って」
「そりゃそうよ、西とは仲がいいんだからねー」
「兄さんは影が薄いからいてもいなくても変わんない」
ちょっとひどくなーいこの姉妹。これが今の影山家僕のこの家での肩身が狭い理由だ。姉は髪も染めてて、妹は無口。はぁ~、もっとアニメみたいにせめてでも妹はお兄ちゃん大好きっ子担って欲しかったな。現実そう上手くいかな気か…
「お風呂入りに来ただけだ」
「そ、そうか。が、頑張って入ってこ、来いよ」
「何頑張って入っては来いって、キモ」
ぐ…妹からのキモは結構クリーンヒットだ。はぁ。学校でも家でもあんま変わんないな…
そのままドアを閉めて風呂場へ行ってしまった
ドアを豪快に閉めてドアを背もたれにたれかかった
「お兄ちゃんと喋っちゃったー。久しぶりに喋っちゃったー。嬉しい、嬉しい。よしよし。て言うかお兄ちゃんにキモいって何よもう。絶対にお兄ちゃんに嫌われちゃったよもうほんとに最悪。て言うかお兄ちゃんと目合っちゃったよ。あ〜合っちゃった…」
そのまま洗濯機に入れてある総人の制服を取り出して西が匂いを嗅ぎ出した。それはもうほっぺに当てて今にでも舐め回しそうな程に
「す〜は〜。す〜は〜。今日もす〜、いいす〜、匂いだな〜このちょっと汗ばんだ感じか特に」
ここに総人がいたら驚くだろう。妹が超ブラコン。いや変態であることを。これはもう普通のアニメとかの妹ではなく変態であることをこれはもう予想の斜め上を越えて斜め下へいっている
「さ、明日もがんばろー」
その後、数日この前の放課後の事が嘘みたいにいつもの生活が続いている。この前は結局なんだったんだろ。今日は友だちとゲームだ。ん?友だちがいるかだって。なめんなよ友だちぐらいいるわ
ちなみに集合は裁縫室。謎の教室だ。授業でも使わない。何なんだろこの教室。
放課後裁縫室へ行っている。端あるからか、あまり人とすれ違わない。たまに蛍光灯が切れてるものもある。そのまま裁縫室についたらまず深呼吸をした
そしてそのままゆっくりとドアを開けた
「遅いじゃないか、総人くん」
「俺が遅いんじゃなくてお前が速いんだよ」
「もーそんなこと言って実は私に会いたかったんでしょ?」
「はぁ…」
彼女は千歳由衣
まぁ一言で言えば小学校からの幼馴染だ
あと一つ嘘をついていた。彼女は俺の過去の秘密を知っている唯一の人間だ。それだから俺は結構苦手だ。
「見てみて、これ、ガチャであたったの。これすんごく強いんだよ。」
そんな事を言って今日接近してきた
「顔が近い」
そう言って俺はおでこを押した
ちなみにこういう性格だからもちろん陽キャだ
これじゃあもう月とスッポンだな…
「もー、そんなこと言って照れちゃって」
そんな事を言って頬を人差し指でツンツンしてきた
「いつまでも子どもじゃないんだから」
「総人はそればっかりだね」
ちょっと悲しそうに下を向いたのは気のせいだろう
俺みたいな陰キャとわざわざ話しているんだ
ありがたや~
「学校で俺以外にそんなベタベタするんじゃないぞ。変やつ扱いされるぞ」
「総人以外はやらないよ」
「ん?なんか言ったか?」
「うーん何も言ってないよ」
たまに一人でゴニョゴニョ喋るんだよな
そうゆう時期なんだろうな
そのまま一緒にゲームをしていつの間にか外は夕日に照らされていた
「あ、もうこんな時間だ先帰るねばいばーい」
そういきなり言って忍者みたいに去っていった
自由奔放なやつだな
そんなことを思ってたらまたドアが空いた
「なんか忘れ物でもしたの…………か…………」
「何も忘れ物なんかしてないよ」
「星奈先生……何しに来たんですか……」
「そんなの想像なんて付いてるだろ」
「ッ…」
「さぁ私の話を聞いてもらおう」
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