第15話 ダンジョン探索開始

 「今配った資料を見てくれ」

 ゲネラル先生から受け取った資料をグループごとに集まり皆で確認する。

 「今回の採取目標は別紙にある通りだ、実際の採取数もそこに書き込んでくれ、採取内容だが角鼠の角が今回一番の難所になるだろう、魔獣の解体も経験しておいてくれたまえよ、後は採取に気をつけなければならないのは毒草だな、コレ以外についてはそう大して難しくないだろう」

 数や種類を確認しながらお互いに顔を見合わせて頷く。

 「今回採取出来たものは後日魔法薬作りに必要になるからな、じゃあまあ気をつけて」

 学園の裏手にある祠にグループごとに入っていく。

 祠の床に大きな魔法陣があり、転移させられるようだ。

 皆で手を繋ぎ魔法陣に乗っかると、床の魔法陣がくるくると周り出しながら光を放つ。

 視界が白く眩しくなったあと、軈て目の前に岩壁にくり抜かれた洞窟が現れた。


 入り口近くにある分岐点で七人は立ち止まった、先に入ったグループが進む先に印を付けている。

 レジェロは近くにあった石を拾い、同じように印を付け、七人は印を付けた分岐を進んでいく。

 先頭に立つのはアルカート、次いで風雅とレジェロその後ろにグラツィオーソが続く。

 グラツィオーソの後ろから花音とカランドが、最後尾をドルチェが守る布陣で洞窟内を進んでいく。

 洞窟内部は壁をくり抜いた壁面に灯りがついていて暗くもないし視界も悪くはない。

 足元はしっかりと踏みならされており滑ることもなさそうだ。

 今回はマッピングという地図を作成する作業をカランドが請け負った。

 カランドのマッピングを花音が手伝う、レジェロと風雅は周囲に警戒しながら採取する薬草を探す。


 カツンと静かな洞窟内に物音が響いた。

 ピリッと全員の神経がひりつく。

 曲がり角から顔を出したのは角鼠が三体、直ぐに先頭を行くアルカートが短剣を取り出し足早に駆けていく。

 ギリっと引き絞った弓がビュンと風を切る。

 飛び出してきた一体の胴を矢が貫きその首をアルカートの短剣が薙いだ。

 高く飛び上がり壁を利用して両側面から走り込んだ風雅とレジェロが刃を振り下ろす。

 三体、これで倒し切ったかと思われた後ろから四体目の角鼠が突進してきた。

 ひらりと跳んで躱したドルチェの後ろから雷の矢が走る、着地と同時にドルチェの拳が角鼠の角を折った。

 「みんな大丈夫?」

 「大丈夫だ」

 安否を確認し合いホッとしながら辺りを警戒する。

 その間にアルカートが手早く角鼠の角を回収し、魔獣の遺骸を穴に埋めた。

 

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