第6話
翌朝も外に出て小魚や小海老を獲りに向かおうとしたら母さんに止められた。どうやら小川から小魚や小海老を獲り過ぎると小川に居なくなるから毎日獲るのはいけないらしい。
それでも小川に棲むのは小魚や小海老以外にも小さな蟹もいるらしく。それを母さんに教えて貰ったので今日は蟹を獲りに向かう。
「森に近い場所に居るって言っていたけど、森の中には入っちゃいけないって言われたし、そこは気を付けないとな。」
モンスターは森の奥に棲息していて滅多に人里には現れないそうだが、普通の動物は気を付けないといけないらしい。
森の方から村へと向かって流れる小川を遡って進むと、小川の中の少し大きめな石を【念動力】を使って動かしていく。
すると、動かした大きな石の陰には地球の沢蟹と色や姿形が似ている蟹が隠れ潜んでいた。
「おっ、居たいた。」
早速見つけた小蟹を【念動力】を使って持ち上げて木の桶に入れていく。
次々に大きめの石を動かして行けば簡単に見つかる小蟹を木の桶に入れていると、小川には大量の小魚や小海老が泳いでいるのが見える。
村の近くの小川に居る小魚や小海老よりもその数は多い。もしかしたら森の奥にはもっと数が居るのかも知れない。
村の小川に棲んでいるものは森の奥の小川から移動したものなのだろう。この場所なら獲り放題だが獲り過ぎると獲れなくなるといけない。だから今日は小魚や小海老を獲るのは止めて置こう。
「これくらい獲れれば充分だな。それにしても本当に繁殖しているんだよな、小蟹が大漁だ。」
【念動力】を使って水の入った木の桶を軽くした俺は落とさないように両手で桶を持って家に帰ることにした。
周囲を見回しながら動物が居ないか探しているが、結局村に着くまでの間に動物に遭遇することはなかった。
「ただいま。あれ?誰も居ない。」
家に帰った俺を出迎える声はしない。まだこの時間帯は畑仕事に両親は出ているが、家には兄たちが居ると思ったが遊びに出掛けたのか誰も居なかった。
これはラッキーだ。今なら誰も居ない。ゆっくりと【念動力】の練習が出来る。けど、その前に木の桶の小蟹を調理場の場所に置いて【念動力】の練習を行なっていく。
木の人形を使って繊細な動きを行なったり、家の中でも特に重たい衣服が入っている箪笥を【念動力】で動かす練習を行なう。
それから2週間も経つが3日に一度のペースで小川に向かって小魚や小海老に小蟹を獲ることを繰り返し行なっているが未だに新しいジョブの取得はしていない。
その代わりにようやくジョブスキルが育って極めたジョブが2つも獲得することが出来た。
【念力系統出力強化(微)】は小川に沈んでいた大きな石を【念動力】で持ち上げようと繰り返し行なったのが良かったのだろう。
【ジョブスキル熟練度上昇(微)】は【念力系統出力強化(微)】の熟練度が最大までなった時に同じく熟練度が最大までなっており、【ジョブスキル熟練度上昇(微)】は他のジョブスキルの熟練度が上がれば熟練度が上がっていたのか、【念力系統出力強化(微)】がカンストしたから上がったのかも知れない。
とにかくこれで新しく2つのジョブを就けることが出来る。新しいジョブはないかを確認しながら次のジョブをどうするかを決めていく。
【学ぶ者2】
ジョブスキルの熟練度が上昇するジョブスキルを得られるジョブ
取得ジョブスキル
【ジョブスキル熟練度上昇(微)】【ジョブスキル熟練度上昇(小)】【体力上昇(小)】【魔力上昇(小)】【器用さ上昇(小)】
【念動士】
【念動力】、無魔法【念力】などのユニークスキルや魔法を強化するジョブ
取得ジョブスキル
【念力系統出力強化(小)】【念力系統操作力・制御力強化(小)】【念力系消耗減少(小)】【魔力上昇(小)】【精神上昇(小)】【器用さ上昇(小)】
【ジョブスキル熟練度上昇(小)】
ジョブスキルの熟練度を20%上昇させるジョブスキル
【体力上昇(小)】
体力を20%上昇させるジョブスキル
【魔力上昇(小)】
魔力を20%上昇させるジョブスキル
【器用さ上昇(小)】
器用さを20%上昇させるジョブスキル
【念力系統出力強化(小)】
念力系統の出力を20%強化するジョブスキル
【念力系統操作力・制御力強化(小)】
念力系統の操作力と制御力を20%強化するジョブスキル
【念力系消耗減少(小)】
念力系統の消耗を20%減少するジョブスキル
【精神上昇(小)】
精神を20%上昇させるジョブスキル
とりあえず1つは【学ぶ者2】で決定だ。
これで【ジョブスキル熟練度上昇(微)】と【ジョブスキル熟練度上昇(小)】の2つのジョブスキルの効果でより早く熟練度が上がってくれるからである。
残り1つは【見習い農家】と【見習い草細工士】のどちらにしようか悩んでいる。
それから悩んだ結果、俺が選んだのは【見習い農家】のジョブにした。
この時期は畑仕事がそれなりに多くあり、そんな時期だからこそ両親の手伝いをしてジョブスキルの熟練度を早いうちに上げようという魂胆だ。
残りの見習いジョブは2つ【見習い投擲士】と【見習い草細工士】の2つだが、【見習い投擲士】は戦闘職だと言う事もあって、このジョブに就くのは動物やモンスターと戦えるようになってからにしようと思う。
【見習い草細工士】は麦の収穫が終わった後の麦の残りを使って縄などを作る作業があるのでその時にジョブに就く予定だ。
そして俺はステータスを確認する。これが今現在の俺のステータスである。
名前 ショウ
ジョブ
【見習い農家】【学ぶ者2】
ユニークスキル
【複数ジョブ レベル1】【念動力】
ジョブスキル
【★見習い念動士】【★学ぶ者1】
見習い農家
【土状態感知(微)】【植物状態感知(微)】【農具術(微)】【体力上昇(微)】【筋力上昇(微)】
学ぶ者2
【ジョブスキル熟練度上昇(微)】【ジョブスキル熟練度上昇(小)】【体力上昇(小)】【魔力上昇(小)】【器用さ上昇(小)】
【見習い農家】は見習いジョブと言う事もあって、【学ぶ者2】よりは上がりやすいだろう。
「じゃあまだ帰って来ないみたいだし、早速手伝いに行こうかな。」
まだ両親は畑仕事で帰って来ないからこそ俺も手伝いが出来ると、【見習い農家】のジョブスキルを育てる為に畑に向かった。
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