第3話 先輩と付き合う事になった俺は
「じゃあ……付き合ってくれるって事でいいんだよね?」
正面のソファに座っている
「は、はい……」
侑吾は再度頷く。
まさかの、先輩と付き合う事になるとは――
ソファに座っている梓先輩の姿を見入ってしまうと、なおさら彼女の事を意識してしまい、余計に自身の胸元が緊張感に襲われる。
先輩の胸元辺りの制服が強調されており、スタイルの良さが伺えた。
「んんッ、それとね。条件として、付き合っている事は誰にも公言しないでほしいの」
梓先輩は咳払いをする。
「どうしてですか?」
侑吾は首を傾げた。
「だって、こんな私が他人と親しく会話しているところを誰かに見られたら変に思われるじゃない」
「そうですかね?」
「そうなの! だ、だからね、誰にも言わないでね」
「は、はい、分かりました……そういう事なら」
梓先輩からの強気な発言に侑吾は頷いて、彼女の意見には素直に従っておく事にした。
先輩とは仮の関係だとしても、一応、恋人ができたという扱いでもいいのだろうか。
人生初の彼女なわけだが、生真面目な先輩と関わっていく事に、多少の不安を感じながらも、心の中では嬉しさも込みあがっていたのだ。
「まあ、今から私はやる事があるから」
梓先輩はソファから立ち上がると、業務机の方へと戻って行く。
「まだ、業務があるんですか?」
「ええ、そうよ」
先輩は椅子に腰を下ろし、業務机の引き出しからA4サイズの用紙を取り出していた。
「では、俺も手伝いますけど」
「いいから。親しくしているところを誰かに見られたら面倒でしょ。あなたは最初に学校を出てて。学校近くの公園で待ってていいから」
そう言われた侑吾は、再び席から立ち上がった梓先輩によって背を押され、生徒会室から廊下へ出る事となったのだ。
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