第9話 ニニシア降下作戦
大気圏突入に成功したザイード隊は、ニニシアから離れた海上に出てくる。
ザイード隊が出てきた海上はニニシアから距離が離れているため、ここからでは遠くてニニシアの様子はよく分からない。
「このままニニシア付近まで進む。ステルス機能を起動しろ」
ビルトは部下である隊員たちにこのままニニシアへ向かうことと、ステルス機能を使用するように指示を出す。
ステルス機能を使用するように指示されたクルーは彼の指示通り、ステルス機能を使用する。
このステルス機能があれば、ある程度距離が離れていれば、彼らに見つかることはないだろう。
ビルトはそう判断する。
その判断は正しく、マタイ共和国の兵器では彼らのステルス機能を見破ることはできない。
そのため、ザイード隊は順調に海上を進んでいき、ニニシア付近までやって来ることに成功した。
その時刻は11:24。
「今からATLAS部隊は全員ニニシアへ降下を行ってもらう。降下後、それぞれ目標の機体の捜索を行え。私は遊撃艦の護衛のためにもここに残る。お前たちには期待しているぞ」
ビルトは自分以外のATLASパイロットの降下を命令した。
降下の命令が下った隊員たちは急いで出撃の準備を行う。
ビルトを除くザイード隊のATLASのパイロットは全部で15人。
彼らは遊撃艦の後方にある格納庫で自分の乗るATLAS『Messiah』に乗り込んでいく。
彼らのMessiahは普通の量産モデルとは違い、奇襲戦闘用にカスタマイズされており、普通のモデルよりも全体的な出力が高く、機動力も高く、装甲も厚い。
武装も量産モデルと同じように見えてジェネレーター出力が上がっていることもあり、高威力になっている。
パイロットたちはMessiahに搭乗すると、コックピット内の最終確認を始める。
そして、全員の点検が終わると、固有回線を開き、画面には遊撃艦の艦橋の映像が映し出される。
『これから作戦を開始する。くれぐれも相手と遊ぶことに夢中になりすぎて目的を忘れないことだ。それでは、全ATLAS出撃!!』
ビルトが出撃命令を出すと、格納庫の開いた入り口からMessiahが1機ずつ射出されていく。
射出されたMessiahは重力に逆らうように背部スラスターを蒸し、降下の際の勢いを殺す。
そうして、降下していったMessiahであるが、流石にここまで近づけば、マタイ共和国軍も彼らの存在に気づく。
彼らの降下の最中に防衛省はニニシアに敵軍の襲撃を知らせる。
それと同時に、最初に射出されたMessiahがニニシア工科大学に着地する。
次々とMessiahたちはニニシアの各地に着地していき、それと同時に、Messiahたちはニニシアへの攻撃を開始する。
同時刻、ニニシア基地にいた兵士たちはGAMESに搭乗すると、そのまま街で暴れるMessiahたちの元へ駆けつける。
そして、各地でMessiahとGAMESとの戦闘が開始。
ニニシア工科大学に着地したMessiahの搭乗者であるシークは遅れてやってきたGAMES3体との戦闘が始まる。
「こちらシーク。敵軍のATLASであるGAMES3体との交戦を開始する」
シークは司令部であるビルトたちに戦闘を行うことを伝える。
『了解。援軍は必要か?』
「いえ、俺一人で充分です。他の奴らは機体の回収に回してください」
『了解だ。くれぐれも油断しないようにな』
ビルトはそう言うと、シークとの通信を切る。
ビルトに先頭の報告を終えたシークは早速3体のGAMESとの戦闘を開始する。
シークは牽制射撃として、マシンガンで弾丸をばら撒く。
GAMESたちはマシンガンの弾丸を防ぐために盾を構える。
その隙に、シークは一番近くにいるGAMESをターゲットに決め、マシンガンでの射撃を続けながら接近する。
GAMESは接近してくるシークに対して、レーザーライフルを撃つ。
しかし、高機動型のMessiahの前では照準が不安定な射撃など威嚇にもならず、シークはGAMESとの距離を詰めるのに成功する。
距離を詰められたGAMESは盾を捨て、腕部に格納されているレーザーブレイドで斬りかかろうとするが、ワンテンポ遅い。
GAMESが武器を持ち替えている隙にシークはチェーンソーでGAMESの体を両断する。
両断されたGAMESは近くにあった建物へ倒れていき、そのままその建物を破壊する。
その間に他の2体のGAMESたちはシークへ向けてレーザーライフルを連射する。
シークはレーザーライフルの弾丸を回避しながら建物に倒れているGAMESへ向けてマシンガンで追撃を喰らわす。
マシンガンによる追撃を受けたGAMESはジェネレーターが破損し、大爆発を起こす。
「まずは1機!!このまま全部破壊してやる!!」
そうして、シークとGAMESとの戦闘はニニシア工科大学校内で繰り広げられたのだった。
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