第5話 「つかむ。」宙

計画的に

流星群が降ってきた。

夏の夜。

怖いおばけを忘れて、

首が痛いほど真上を見る。

『何を見てる。少年?』

きれいなおばけのお姉さんが声をかける。

特にこわくはなかった。

ただ、白い長いワンピースの裾が

ふわふわ僕の周りをまわっている。

おばけと遭遇した時の対処法、

小さい時に聞いた。誰に?あれ?

思い出せない。まあいい。


『対処法、普通でいい。普通に話す。

徹底して、今、自分が行なっている行動をやめない。おばけに惑わされないことさ。』


今の自分であれば、“こうだ。”

「星を見てる。今夜最大の流星群が地球に接近するのさ。」

おばけのお姉さん「それって流れ星?」

僕「そうだ。」

おばけのお姉さん「少年、おばけがこわくないのか?」

僕「こわい?こわくないな。」

おばけのお姉さん「なぜ?」

僕は答える。

「僕は宇宙人。

地球上の生命体は、宇宙から見たら

生きている人間もおばけも一緒さ。」

きれいなおばけのお姉さんが

浮いたまま、夜空の真上を見て

「流れ星が見えたら、うれしいな。」

僕は「見えたらじゃない。

見るんだろう。」

きれいなおばけのお姉さんが笑う。

「キラッ」と夜空が光。

「流れ星。見れたよ、少年。」

願いが叶い、

おばけのお姉さんはスーッと光って消えた。

「ありがとう」微かに聞こえた。

「きれいなおばけのお姉さん。よかったね。Happy end 。

僕はもう少し地球人になりすますよ。」

僕は夜空の星をつかむ。


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