【解説編】

まず、語り手は水商売をしている女性です。彼女はDVや過度なセクハラに苦しんでいました。中学校を中退して父との子供を孕み人工中絶手術を受けました。そのことに激怒した父は娘を家から追い出しました。


水商売をしている館で引き取られて日々生活していました。父元から離れて仕事につけた彼女はたくさんの男から事情も知らないのに哀れみの目を向けられます。彼女は忍耐強いので大抵笑って受け流します。結局彼女の真意には誰も気づかないのです。今から散々酷いことをするくせに哀れんでそう言ったことをする男性が一番嫌いだそうだ。


水商売をしながら復讐を考えます。非力な自分は男性に勝てないので薬でも飲ませようかと計画します、手に入れたお金には自分の未来がかかっています。そうして闇の道を歩いている時に一際と目立つ珍しい少年に出会った。彼が何者なのかはわからないが、一番高いコースをしかもきっちりと自分のお金で払い、哀れみでは無い純粋無垢な姿で彼女と向き合った。それにより少し彼女の心はほぐれた。今思った話だが第三節では語り部の語尾に変化があるようだ他の第1第2では「〜よ」が多用されているように感じる。心情の変化が顕著に出ているのだ。少年は彼女の幻覚だったかもしれない。


しかし、お金は手元にある、もう引き戻せないと考えた彼女は薬を買って全ての元凶である父の元へと向かう。父は案外苦しまずに死んでいった。2件目は常連さんさだ、冒頭の文句も大体こいつの言葉である。痛みを与えたかったからプレイと言って首を絞めながら喉元の奥に思いっきり突っ込んでやった。華奢な腕でも人を殺せたことへの達成感を得た。そうして計6人葬った。それぞれ体の部位とリンクしていて、お父さんは腕、お兄さんは胸、おっさんは顔といった具合に自分の体が原因で飛ばされた怒号を受け止めようとしている。


結局彼女の計画は警察に露見する。悲しみと達成感に果ては自分の死が待っていた。ボロボロで細っぽい体にはすぐに毒が回った。誰よりも苦しまずに死ねたのだろうか。事情はどうあれ、6人も人を殺したことは看過できない。


──────────────────完───────────────────






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DON’T PUSH YOUR KINDNESS 蒲生 聖 @sho4168

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