第44話 散文詩「日本のサクラ」

   瑛人は夢を見ていた。

 

   瑛人は気が付くと目の前に都電荒川線が見えた。

   都電荒川線ってなにか愛称があったな。

   なんだったっけな?

   瑛人は終点の町屋から電車に乗り込んだ。

   路面電車の沿線では桜の花が咲いていた。


   東京にこんな路面電車があるだなんて、

   東京に住んでいたのに、今まで気がつかなかった。

   乗ってみると、意外と楽しい


   染井町の辺りで、空に何か飛んでいるのが見えた。

   あれ、何だろう?ドローンかな?

   瑛人は途中下車して近くを散策した。

   一本のソメイヨシノが咲いているのを見つけた。

   おや、なんてきれいなんだろう、このサクラは。

   瑛人はソメイヨシノをながめていた。


   ソメイヨシノの周囲にゴミが散らばっていた。

   サクラの木は自分ではゴミ拾いできないからな。

   瑛人はソメイヨシノの周囲のゴミ拾いを行った。


   瑛人はおもむろに寝転がった。

   ほんと日本人ってサクラが好きなんだな。

   瑛人が見上げるとサクラの枝が風に揺れていた。

   ゆらゆらとゆらゆらと風に揺れていた。


   「瑛人君。瑛人君」

   瑛人が居眠りしようとすると誰かが呼びかけえる声がした。

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