運命の出会い

「はあ、はあ...」と俺は過呼吸になりながら起きる

あの日から数年経った今でも毎日のようにあの記憶が夢に出てくる。

俺は近くに置いてあった数日前に開けた飲みかけのペットボトルのふたを開けて中身を強引に飲み込む。

時計を確認するとすぐに出ないと遅刻しそうな時間だった

「学校、行くか」

俺は制服に着替えて忘れ物がないかを確認して家を出る。

「行ってきます」そう誰もいない家で独り言のようにつぶやき家を出る。

親は二人とも俺から逃げるようにして海外へと仕事に行っていて帰ってくることはない。


そうして歩くこと数十分。学校に着く

いつも通り誰とも関わることなく退屈しのぎに本を読む。

内容は見ていない。話しかけられないために周りから本を読んでいるという認識が必要なのだ


そうしていると時間が経ち先生がいつも通り入ってくるのだが

今日、先生が入ってきたときに違和感があった。

周りの生徒たちが特に男子を中心に異様にそわそわしている。

なにかあるのだろうか。とそんな考えを頭の隅に追いやり先生の話を聞く。

そして先生が話し終わり、

「みんなはもう知っているかと思うが....」と言って先生はドアのほうに目をやる。

するとドアが開き俯きながら誰かがが入ってくる。

「この学校に転入してきた....」

その子は顔を上げて、「霧崎咲弥きりさきさくやです」と聞き取りやすい声で話す。


俺はその瞬間頭痛が走る。

俺は目の前の彼女を見る。

誰かと姿が重なる。

気のせいにしようとして必死にその考えを否定する。

しかしできなかった。

目をそらすことはできなかった。


彼女は俺が殺したはずの咲夜に似ていたのだ。

容姿、雰囲気が。偶然なのかもしれないだけどなぜか俺は偶然だと否定することができなかった。


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