コラボ回中編☆ 早とちりぃ……ですかねっ

 少年くんを神社の物影で待っていると、麓まで届きそうな嫌な爆発と共に少年が爆速で頂上まで着く姿が見えました。間近で見ると、140cm前後の私より遥かに大きいですね!まあ……当たり前なんですが。

 少年くんは何やらへんてこなブーツを身につけ、火を噴き出しながら上昇してましたね。ブーツの製作者さんはきっと頭がおかしい人なんですね!


「と、ここに巫女さんがいるって聞いたんだけど……」


 ふと、少年くんがそう呟きます。

 余談なんですが、使山の事を検索すると真っ先に出てくるのが神隠しと巫女、そしてここ使山神社というワード何ですよね。

 まあいかにもエゴサを軽くして突っこんできた高校生らしいですが……この少年が不可思議な能力を使える人である以上、牽制……いえ、研究所関連のクソ野郎の可能性があるならばそれすら生ぬるいでしょうか。

 そう思った私は、彼の顔の横を通り過ぎるように銃を構え、引き金を引きます。


「誰か「バァァン!!!」っ!?」


 何か言おうとしたであろう彼の行動を遮って、私の放った弾は彼の頬を掠めて傷をつけます。


「あ、あっぶねぇ〜」


 普通に当たったら即死な弾丸を、危ないの一言って……まあ私も私なんですが。まあ、それはそうとして――


「さて……、誰ですか。貴方」


 しゃがんだ態勢から立ち上がる間、私はそう呟きます。まあ、言ってみたかっただけですけどね☆


「まぁ、答えは聞いてないですけれどね」


 それでもって、私はついでに腰当てに付いていた手榴弾をさり気なく取り、ピンを外して少年くん目掛けて投げます。


「ッき!!聞く気ねぇじゃん!!!」


 少年くんが驚いたと同時に、少年くんの目の前で手榴弾は破裂し、手榴弾はド派手な爆発を見せてくれます。

 ワンア〜ウト☆

 その間、手榴弾の破片が飛んできたりしたので、銃に付属した追加装甲と身体で受け止めます。


「ふっ!」


 私は全身の力を込めて破片を弾き出し、そのまま手を大きく振り払って煙を弾き飛ばします。

 煙が一気に晴れ、私は少年くんがいるはずの方向を見つめます。するとあら不思議。いつの間にか、軍が使っているようなゴツいシールドが置かれていました。

 あれ多分バリスティックシールドってやつですよね?お金持ってますねぇ〜。


「どうだ?何もないところから盾を出すなんて、俺しかできない芸当だろ?」


 すっごい息を切らした声で、少年くんはそう言います。うんまあ、手の内明かすんですね。


 まあそれはそれとして、無からシールドが出てくるのはちょっと予想外なので、ほんの一瞬だけ五感を研ぎ澄ませ、近くにヘリなどの補給物資を出せるものが無いか確かめます。

 まあ、そうだとしたら何かしら特徴的な音がなるので、特に意味は無いですね。気を取り直しましょうか。


「バァァン!!!」


 取り敢えず対物ライフルの性能を甘く見ている、シールドの影に隠れた少年くんに向け、一発お見舞いします。


「ぐは!!!!!」


 シールドを貫通した弾は恐らく少年くんに当たり、シールドから僅かにあるのぞき窓から血が見え、そのままの勢いで少年くんは斜面を下って後ろに転がっていくのが見えました。

 バリスティックシールドは意味がないって事で置き去りにしましたか。いい判断ですね。


「グシャァ!!」


 少年くんが転がる間、取り敢えず対物ライフルを置き、バリスティックシールドは二度と使えないように手でクシャクシャにします。


「……っすぅ」


 その後、クシャクシャにしたバリスティックシールドの中に手榴弾を埋め込み――


「そいっ」


 物影に隠れた少年くんに向かって狙い撃ちします。


「ドォン!!」

「あちゃぁ……」


 残念な事に狙いからは外れ、少年くんの横の木が倒れただけでした。

 一応牽制になると見て、私は対物ライフルを持ち直し、少年くんがいる所めがけて構えます。

 しばらく流れる沈黙を、あくびをしながら過ごしていると、左手に銃を持った少年くんが不意に物影から飛び出してきました。

 少年くんは横にひたすら走り、私の弾を避けようとします。参りました……偏差撃ち、苦手なんですよねぇ。


「バァァン!!!」


 取り敢えず少年くんの進路の少し先を狙って撃ちますが、ものすごい速度で避けられます。


「バァァン!!!」

「やば!!!」


 めげずにもう一発放ちますが、速度の乗った相手は捉えづらく、またもや外していまいます。何やら相手側は焦っているようですが。

 しかし少年くんは再発射までの隙をついたのか、少年くんは方向を急激に変え、こちらへ真っ直ぐ向かってきます。

 急なパターン替えに焦った私はまず偏差撃ちをと、相手の動きを頑張って予測して弾を放ちます。


「バァァン!!!」


 案の定弾は当たらず、もうヤケクソになった私は適当にノールックで撃ちます。


「ドォォン!!!」

「ぐあ!!!!」


 するとたまたま放った弾は少年くんの近くの地雷にヒットしたようで、豪快な爆発音と共に、少年もろとも爆発します。


「ゼロイン無しかよ!!!!」


 ふと、少年くんの悲痛な叫び声が研ぎ澄ました耳に届きます。スコープじゃなくて肉眼狙いなのは確かですが、今回のはまぐれなんですよね……。


「ごめんちゃい……」


 少年くんは身動きをやめ、地雷により吹っ飛んだ足を恐ろしい勢いで再生させます。再生にはもうつっこみませんが、これはボーナスタイムですね。

 ツーアウト☆


「バァァン!!!」


 ちゃんと狙って撃った弾丸は少年くんの左手の付け根を抉り、そのまま吹き飛ばします。


「くっそ!!!!」


 少年くんの悪態が聞こえた後、少年くんは左手を抑えて木の陰に隠れます。

 重症、木の陰、対物ライフル。何も起こらない筈もなく――


「バァァン!!!」


 無機質な爆発音と共に放たれた弾は木を貫通して、少年くんの身体に無惨な穴を開けます。その後木が少年くんを覆いかぶさるように倒れ、少年くんの姿は視認出来なくなりました。

 スリーアウト!ゲームセットッ!!


 私は戦闘が終わったと思い、心の中でガッツポーズを決めます。

 さて、後でコンビニ弁当でも買って帰りましょうかねぇ。

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