前のエピソード――第25話

恋愛禁止が撤廃された後、学校の雰囲気は大きく変わり、生徒たちの心に新たな風が吹き込まれた。自由に恋愛を楽しむことで、生徒たちは情緒的に安定し、精神的にも豊かになっていた。そして驚くべきことに、これまでにないほど成績も向上していたのだ。学校側は、この変化に感心し、恋愛禁止の撤廃がもたらした効果を強く感じていた。

ある日、学校の運営会議で、さらに踏み込んだ議論が持ち上がった。「恋愛が生徒たちに良い影響を与えているのは明らかです。では、物理的な接触についても規制を緩和してみてはどうでしょうか？」とある教師が提案した。これにより、学校側は生徒たちに意見を聞くためのアンケートを実施することに決定した。

アンケートが配布され、生徒たちは自分たちの本音を書き込んでいった。予想以上に多くの生徒が「触れ合いは必要だ」「手をつなぐことや抱きしめることで、お互いの気持ちがより深く繋がる」といった意見を表明した。感情の共有だけでなく、物理的な接触が友情や愛情を深める大切な要素だという声が多数を占めた。

アンケート結果が集計されると、その結果は圧倒的だった。大多数の生徒が物理的な接触の解禁を望んでおり、学校側もこれを無視できなくなった。学校の運営委員会は慎重に議論を重ね、最終的に「生徒たちの成長と幸福を考慮し、物理的接触禁止を撤廃する」との決定を下した。

この決定は、生徒たちの間で瞬く間に広まり、学校の新たな自由を象徴するものとして歓迎された。生徒たちは手を繋いだり、抱きしめ合ったりと、より自然に自分たちの感情を表現するようになり、友情や恋愛がさらに深まっていった。そして、それによってさらに情緒的な安定と集中力が高まり、学校全体が前向きなエネルギーで満たされるようになった。

「学校が変わってきたね」とソラはミユに微笑みながら言った。「前よりももっと自由に、心からお互いを大事にできるようになった気がするよ。」

ミユも同意して、手を繋ぎながら答えた。「自由って、本当に素晴らしいね。」

学校は、恋愛と触れ合いがもたらす効果を改めて認識し、今後も生徒たちの成長を支えるための新しいルールや制度を考えることとなった。