不明な船
おっかなびっくり、俺はファイターから足を踏み出した。股関節と膝関節がきしむのを感じる。磁気スケートはスムーズに床へ吸い付いた。ここがなんなのか知らんが、人間の技術で造られてるのは間違いない。
内部は驚くほど
〈ここは
後ろ側の面はすぼまってすり鉢状になっていて、真ん中あたりに並ぶハッチまで滑っていけるようになっている。これも
〈
やや遅れて返事があった。ミー・トゥーにすりゃ百万秒も黙ってたことになるんだろうが、まあいい。こいつにもわからんことはある。
ふいに視界が奪われ、俺はのけぞった。
〈なんだ? どうした?〉
〈
役に立たんやつだな。照明が落ちたのか? こんな密閉された船で電源喪失なんて悪夢だ。空気循環機が止まったら死にかねない。俺は
〈帰還を提案。極度の危険〉
でもそれじゃ、救難信号を送ってきたやつを見殺しにするってことじゃねえか。そんなの人殺しと同じだ。スクィディオを殺すのとは訳が違うんだ。
〈いや、このまま進む。ライトを点けてくれ〉
〈
ヘルメットのライトがためらいがちに点き、足下を照らした。ハッチを目指して滑り出す。
〈近くに
〈
仕方ねえ、自力で探るしかないか。手首の
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