008話 「襲撃者・中編その三っ!」
色々あって更新できませんでした、すいません
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「「「 【
すでに会場内がパニックになっている中、3人が口を開いた。
拘束魔法が反抗され解けると同時に俺は咄嗟に3人の周りに今の俺にできる限界強度の魔法障壁を貼った。
いつもの十倍以上の魔力を使ったが、出し惜しみはしない。
幸いにも俺の魔法障壁は拘束魔法が解けた時の威力によって相打ちのように破壊された。
とりあえず今ので怪我人が出なかったようで安心した。
その時だ、目眩を起こしたように目の前がぐにゃんぐにゃんと曲がる。
くるくると目が回って足がよろけた。
「大丈夫ですか、ルシア様!」
するとレイさんが駆け寄ってくる。魔力酔いという言葉がある。魔力切れや魔力枯渇とは違い急激に体内の魔力を使用することによって起きる症状で、目眩や吐き気といった今の状態が当てはまる。
「ああ、多分魔力酔いだから大丈夫だよ」
その時だ、魔術師の荒げた声が聞こえる。
「くっ、来るな! 【
「【
「やめなさい!」
レイさんが必死に走り出すが、ブラッディの漆黒のレイピアは瞬きをする間もなく魔術師の目の前に迫っていた。
おいおい、他の魔術師はどうなってんだ!? と思って見るとすでにレイピアを持った金髪のブラッディによって首元を斬られていた。血を浴びるその姿はまさにブラッディがふさわしい……ってなんでこんなこと考えてるんだよっ!
「やっぱりぃ? 魔術師は守ってくれる人がいないと弱っちいねぇ!」
「よくもお前ぇ“……」
「ごめんって、でも手加減したけど避けきれなかった方が悪くなぁい?」
警備兵の方も向いてみるが大剣を振り回しているヘブンによってなかなか近づけないようだった。
なんかレイさんとブラッディがが睨み合ってるんだけど……
「そちらが動かないななら私の方から動かせてもらうわ」
「いいよ、いいよ。 私は優しいからねぇ」
レイさん、武器を持ってないけど素手で戦うのだろうか? と思った瞬間。レイさんの右手から薄黄色に光っている剣が現れる。
「ほぉう、魔剣かなぁ? 自分の魔力で作り出すタイプの。でもそれじゃあ維持するのは大変なんじゃない?」
「確かにいつもの十倍以上の魔力が必要だけど、そんな無駄口叩いてると死ぬわよっ!」
すると急加速したレイさんの魔剣はブラッディの首へと向かって行くが、ブラッディもレイピアの軸でそれを受け流した。
いつも武器を持ってはいないなとは思ってたけど自分で作り出すタイプの魔剣だったんだ……
「あれれぇ? そんなに急加速して大丈夫、少し休もっかぁ?」
「あなたこそ受け流さないで戦ったらどうなの?」
するとレイさんの魔力循環速度が急激に高まり、体が薄黄色く光り始める。
そして先ほどとは比にならない速さでブラッディに向かった。正直いってなんも見えない。
見えるのは移動した残像だけ。
おそらく【身体強化】を使っているのだが、今のここは【
さらに【身体強化】を行ったまま体内の魔力循環速度を上げているので体にも相当な負荷がかかっているはず。
今は互角に戦っているように見えるけどいずれ負けるのはレイさんの方だろう。
【身体強化】を使って、さらには裏技のようなことをしているレイさんと何もしてない純粋な身体能力だけで戦っているブラッディ。
どちらが勝つかは目に見えていた。
「レイさん! 早くそんな女やっちまいな!」
「ちょっとエメリア! 今は絶対喋んない方がいいよ。」
「ふんっ、でもこれなら安心ね! 警備兵で男は対処できてるしレイさんとクソ女は互角に戦っているわ!」
すると後ろに居たエメリアお姉様が調子に乗って煽って、アダムさんがそれを止めに入る。
ありがとう、アダム。
すると轟音を鳴らしながら戦っていたレイさんとブラッディが一回攻防をやめる。もう周りはボッロボロで地面なんかさっきまではカーペットが引いてあったのに、それを通り越して地面が見えてるところすらある。
「いいねぇ! 今の君、とっても強いよぉ! もう感動しちゃたぁ」
「でも君、もう限界だよね? ただでさえ
戦っている最中じゃわからなかったが、レイさんの額には汗が滲んでいた。呼吸も乱れている。
ヘブンの方はまだ遊んでいるから良いものの、本気を出されたら一瞬で警備兵なんか吹き飛んでしまうだろう。
「さあさ、もう遊んだことだし早く終わらせてしまおう。」
するとさっきから後ろで戦いを眺めていた仮面の男が口を開いた。
「わかったぜボス。」
すると二十人はいた警備兵が大剣を一振り薙ぎ払っただけでほぼ壊滅した。
「君も早く殺しちゃうか」
ブラッディがレイさんに向かってレイピアを振った瞬間、同時に二つの場所で
剣と剣がぶつかる音が響いた。
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