007話 「襲撃者・中編その二っ!」
陽気な男はその手に持っている大剣を軽々と手首を使って前へ、後ろへと回している。男の顔を観察していると目が合ってしまった。やべえ
「白髪に碧眼と……六女はおめえか?」
なんか素性バレてるんですけどっ!? えっ、何で!? 待てよ、さっき依頼がどうとか言ってたし……
あっ、普通依頼するなら特徴ぐらい知ってるか!
「なんか超可愛いんだけどぉ、ねえボス持って帰っていい?」
「今回は値段が高くついてる、
ブラッディって血? 血まみれ!? 厨二病かよっ! 違う違う!
値段が高くついてるってなんか懸賞金でもかけられてんのか?
「まあ、さっさと終わらようぜ。で、結局どいつが六女だ?
屋敷と言うカゴの中でムクムクと育った
といてやるぞ?」
すると場内がざわつく。え、もしかして言っちゃう? って言うかもう絶対分かってるのよね、あいつ。
「どこの馬かは分かりませんが、ルシア様は只今本館で厳重な警備を施された部屋にいますので安心してお帰りください。ヘブンさん」
れ、レイさん。嘘言っても大丈夫なの? と言う目を向けると目でウインクを返された。
うん、黙ってろってことだね。オーケイ
「面白え女だ。ちなみに言うとヘブンは本名じゃねえよ、こんなダサい名前は三流の名前さ。じゃあ目の前にいるガキを殺してから本館に行くか! ちょうど遊びたいところだったしな。ファハッハハ!!」
もしかして信じた? っていうか自分でダサいと思ってたんだ……
こんなこと考えてるけど今から殺されるんだった☆
いやいや、遊ばないでっ!?
「ええ、殺しちゃうの? この子、多分六女だけど」
「っ!? お、そうか? じゃあ女、どいてくんね?」
するとレイさんが舌打ちをする、刺激して大丈夫なの? と思った時だ、レイさんがなにか合図のような目をした。
「あぁ“?」
陽気な男がそう言った時にはすでに、裏から回っていた警備兵が拘束魔法を3人に発動させていた。
ナイス、レイさん! あと警備兵!
「拘束魔法の出力を限界まで上げて! 今は【
「承知しました! 支援系である【
支援系に分類される拘束魔法とは簡単にいっちゃえば敵を戦闘不能にする魔法であり、その難度は主に初級である。
その中の一つである【
二重掛けとは一般的に魔法を重ねて行使することを指し、支援系魔法などに使われる難度の高い技術の一つである。
すると陽気な男の顔が「嘘だろ?」と言った感じに変わる。でもちょっとニヤニヤしてるぞ?
もしかして捕まることに幸福を覚えるヤバいやつだったりします?
「特Bランクの魔術師3名に拘束魔法を二重掛けされているのは流石に想定外だったみたいね。特Aランクでもこの拘束魔法に【
あのローブのイケメン達、どうやら特Bランクの魔術師らしい。べ、別にイケメンだからって惚れてるとかじゃないからな?
そもそも男に抱かれるなんて論外だし。
ちなみに【
難度は初級と、誰でも使える技でありながら時には上級魔法や、はたまた神級魔法などにも【
大概の場合は魔法を行使した術者のレベルで【
まあ、中にはCランク冒険者が伝説級魔法に【
「そうだなぁ、最後に聞いていいか?」
「どうしたのヘブンさん?」
すると陽気な男がレイさんに話しかけた。嫌な予感がするのは俺だけだろうか?
「結局誰が六女なんだ?」
「………どうせ捕まるんだから大人しく黙ってなさい。」
その時だ、男から慈悲の顔が消えた。その代わりに男の顔から笑い声が噴き出してくる。
「はっハハッは! 丸ん見えんだぜ? 俺がこれで【
ぜ。面白そうだから
「どう言うこと? 」
すると金髪の女も鼻で笑い始めた、女と言うよりは『女の子』と言った方が似合ってるかもしれない顔からは想像もできないほどの笑い声だ。
「あ〜あ、もう疲れたヘブン! さっさと終わらせよー」
「そうですね、早く終わらせたほうが依頼主のためですし」
さっきまで笑っていた金髪の女の子と共に仮面の男が口を開く。それと同時に俺のネット小説を見て養った第六感が大警報を鳴らしていた。
「レイさん! なんかヤバい気がする!」
「どうしたの!?」
その時だ、赤黒い【
「ヤバいです、体内の魔力量が急激に上昇してます!!」
拘束魔法を行使している一人の魔術師が声を上げた。
今こうしている間にも3人の魔力量は急激に上昇していく。
「もしかしてその魔力量を隠してたの!? ルシア様! お逃げください!」
「「「 【
すでに会場内がパニックになっている中、3人が口を開いた。
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