006話 「襲撃者・中編その一っ!」
「ふぇ?」
気づいた時には会場内が暗闇に包まれており、周囲はパニックに陥っていた。
「各警備兵に連絡! 非常用魔法照明を付けてください! 襲撃です!」
レイさんの言葉によって慌ただしく警備兵が動き始める。暗闇なのでよく見えないが貴族達はパニックになってるものの、使用人達によってすでに避難が開始されようとしていた。
「ルシア様、私から
「あ、はい」
先ほどの爆発からすで数十秒が経ったが、非常用の魔法照明は付かないのだろうか?
訓練で見せてもらった時ならもうついてもおかしくない時間なのだが
そんなことを思っていると、会場の端から走ってきたのか「はあはあ」と言っている一人の警備兵がレイさんに近づいた。
「報告です! 現在、本館別館共に全域に渡って非常に大規模な
「報告ありがとう、君は避難誘導を行なってください。何でよりによってレイムンドがいないのっ!?」
迫力のあった音楽はすでに止まり、貴族達にざわつき声だけが聞こえる。いつもはとても元気なレイさんの目はあちこちへと向かっており、緊急時は冷静なレイさんもパニックになっているようだった。
「追加報告です! 会場出口に設置してある緊急転移装置が作動しません。 入り口と出口にある扉を開けようとしても会場内に非常に強力な防御結界が貼られており解析、解除に時間がかかっています」
「え、うそ? やだ! アダム、何とかして!」
するとエメリアお姉様が騒ぎ出す、ちょっと黙ってろや。
こっちも怖くなるだろっ
「いやぁ、そんなこと言われても」
するとレイさんが安心させようとエメリアお姉様の肩を掴む。
「安心してください、万が一です。万が一にも敵の襲撃があっても警備兵は一人一人が高品質の訓練を受けております。並の敵じゃ負けたりしませんよ?」
レイさんの説得が効いたのか「まあ、お父様の兵だしぃ? 大丈夫よね?」といつもの調子に戻った。
「なんだかんだ、大丈夫だよっ!」
俺がそう言った時だった、会場内がたっても居られないほどに揺れた。
天井にぶら下がっているが地面が揺れると共に壊れそうな音を立てながら中央にあるシャンデリアが揺れていた。
「皆さん!! 頭を下げて身を守ってください!」
レイさんが会場内に聞こえるような声で言った瞬間
目の前にあった壁が、一瞬で破壊された。
「ルシア様っ!」
そう言いながらレイさんが覆い被さってくる。その隙間からは埃が舞いながら会場に入ってくる人影があった。
破壊された壁の破片を踏みつけながら一人の男が入ってくる。
「あっはっは! 思ったよりもこの壁もろいなっ! 本当に防御魔法の加工がされてんのか?フハハッハ」
「これでも頑張ってん作ってるんだからかわいそうだよぉ? ねぇ、ボス」
常人なら持てる筈がないほどの大剣を持った陽気そうな男と、漆黒のレイピアを持った金髪の女が、月明かりに照らされた会場内に声を響かせた。
「今回の依頼はあくまで六女の誘拐だ、他は殺すなと言うことだ
「分かってますよ、ボス。んでどこだ? 六女は」
そして
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短いのでもう1話投稿するかも
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