004話 「やっぱり変態だっ!」
更新するの忘れてました。
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いよいよパーティーまで残り1日。
俺は朝食を取ると別館へ向かった。
パーティー会場はウィリアムス公爵家、別館にある会場で、やはりその規模を見ると公爵家がどれだけの権力と財産が持ってるかが伺える。
毎回思うが、お父様はシャンデリアが好きなのかも知れない。綺麗なガラス細工が施されたシャンデリアが沢山宙にぶら下がっている。綺麗なシャンデリアのガラスが朝日を反射しておりなんとも新鮮な雰囲気だった。
まだ朝っぱらなのに、目の前では使用人が忙しそうに椅子やテーブルを運んでいた。こう言う時によく思うのだが、魔法でどうにか出来ないのだろうか? 椅子やテーブルに刻印魔法と制御魔法でちょちょいのちょいとやれば魔法を発動させるだけで自動的に椅子とテーブルが並んでくれる気がするのだが。
最も俺は魔法属性の才能がないので出来ないが。無理やりやったら出来ないこともなさそうだけど……
「でかいな……」
「ええ、これはルシア様の生誕パーティーですから。」
そう言って来たのは隣に居るお父様の参謀のルーク=ハインドさんだった。
え、隣!?
「うわっ!? ルークさんですか。どうしてここに?」
「いや、少しここに用事がありまして。それでは失礼」
参謀なのできっと何かやることがあったのだろう。それにしても相変わらず気配を消すのがルークさんは上手だ。俺にも使える無属性魔法だったら今度どうやっているのか聞いてみよう。
「ルシア様、さっきレイムンド殿が探していましたよ 」
すると仲の良い使用人が話しかけてくる、この人はファイさんで珍しく黒髪黒眼と、少し日本人だった俺には親しみのある人である。お父様が子供だった頃から仕えているそうで良くお父様の子供時代を話してくれる。
その時だ、背筋に寒気が走る。
「見つけましたぞぉお! ルシア様、このレイムンド心配しましたぞ!!」
こいつどうやってここまで近づいたんだ? 気配がなかったぞ!?
「もしやお前、気配を消すのが得意なのか!?」
「ええ、勿論ですとも! このレイムンド、教育係であり護衛でもありますから!なんでも仰ってくださいませ!」
一瞬レイムンドに気配の消し方を伝授してもらおうかと思ったが、変態と言う文字が浮かんできたのでやめた
「レイムンド殿、こんにちは。」
するとファイさんが「はぁはぁ」と言っている変態に声をかける。
「これはファイ殿。パーティーの準備はどうですか」
「そうですね、もうすぐで椅子とテーブルの配置が済みますので比較的順調です。まあそう言う時に限って問題が起きるのですがね。ははは」
周り見てみるとさっきまで忙しそうに動き回っていた使用人達がひと段落している所だった。もしかしたら椅子とテーブルを魔法で配置しないのはすぐ終わるから必要ないのかも知れない。
普通貴族は無駄なことにもこだわる気がするのだが、お父様はそう言ったことが嫌いなのかな?
「ルシア殿! 早速仕立て終わったドレスを試着しましょう、このレイムンドが抱き抱えて案内しますぞ!」
「うわ、ちょっと気持ち悪いっ触るな! うわぁああ!」
ファイへ助けの目を向けたがニコッと笑い返されてしまった、どうやら諦めるしかないらしい。変 態レイムンドが俺を抱えると周りもびっくりする程のスピードで本館にある試着室へ向かった。
▲
試着室に着く頃には俺の三半規管はダウンしていた。あんなに爆走してレイムンドは怒られないのだろうかと言う疑念が頭をよぎるがとりあえず無視する。
「ルシア様、こちらが仕立て終わったドレスです。もしかしたらサイズの違いがあるかも知れませんので」
レイさんの手に持たれたドレスを見ると緑と青を基調としたデザインのドレスがあった。勿論フリフリは付いて……これは、なんだ?
「このフリフリっぽいのはなんだ?」
俺はドレスの下の方へ指を向ける。なんか……そう! スカートっぽいとこの下がフリフリしているのだ。
「いやいやルシア様、こんな物でフリフリとか言ってるとほんとシンプルドレスになりますよ!?」
「いや、シンプルでいいって言ってなかったか?」
するとレイさんが目を瞑って頭を抱えている、周りのメイド達もなんだか残念そうだ。
「はあ、わかったよ。着ればいいんだろ着れば。」
「ほ、本当ですかっ!?」
「それじゃ皆さんっ、少しルシア様を抑えてください!」
するとメイド達が猛獣のような目ですりすりと寄ってくる。
「な、なんだっ!? じ、自分で着れるぞっ」
「いやいや、ルシア様い・っ・つ・も・長ズボンしか履いてないじゃないですか。ドレスの着方もきっと分からないですよね?」
見えない圧力をかけてくるが、俺は子供じゃない。そう、精神年齢的には立派な大人である。
「基本的なのはマナーの授業で一杯やったから覚えているぞっ!」
何やったかあんまり覚えてないけど☆
「お、離せっ。ちょ、ちょっとやめ」
「と言うか、普通は使用人に着せてもらうんですよ?」
え、まじ? 恥ずかしくないの?
「と言うことで大人しくしてください」
▲
「やっぱりクロエ様に似た美しい瞳が綺麗ですわ!」
「ええ、なぜルシア様はこんなにドレスを着たがらないないんでしょうね!」
「ほんとほんとっ!」
使用人達がなにか言っているが俺には関係ないことだろう。結局あの後レイさんとメイドさん達に着せてもらったのだが、なんと言うかお腹の締め付け具合が
「なあ、コルセットってみんな付けてるのか? こんなもん何時間もつけてたら吐きそう。」
世の中の女性はみんなこんなものを付けているのだろうか? 俺だったら食事を腹に入れた瞬間終わる吐く気がする。
「そうですね、コルセットは外しますか…着心地はどうですか? 緩かったりキツかったりしません?」
「うーん、お腹以外はいい感じだよ」
「じゃあ、コルセットは外すと言うことで」
勿論イエスと答えた、あんなもん付けてたらパーティーどころじゃない。
いや待てよ、お、お嬢様言葉使わないきゃいけないのか!?
「レイさん、パーティーの挨拶って敬語じゃだめ?」
「ルシア様は公爵家のお嬢様です。お嬢様言葉ですよっ!」
「な、何だとっ!?」
う、嘘だろ。あの『何とかですわっ!』って言うのか!? じゃあ俺は喋らんぞ
「マナーの授業で習っていらっしゃいますでしょう?」
「・・・」
くそ、痛いところを……
「うわぁ、明日がパーティーかぁ」
「普通は喜ぶ物ですよ?」
何とか話を逸らしたと思ったのも束の間、背中に寒気が———
「ルシア様ぁああ!! このレイムンドもドレスを着た姿を拝みたいゾォおお!!!」
俺は思った。
「やっぱり変態だっ!」
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