003話 「魔法の属性才能がなくても魔力操作でどうにかなるっ!」

「レイムンドさん大丈夫ですか?」


レイさんがゴスロリ衣装を盛大に被りながら泡を吹いている変 態レイムンドに声をかける。少し威力が強すぎた感じがしなくもないがまあこれぐらいしないと一時間後にもう一回同じことをするだろう。


「きら、キラキラしてるぞぉ」


「やばいです! レイムンドさんがぁ|」


「はぁ」とため息をするとレイムンドの体に手を当てる。こいつの魔力循環速度を極限まで上げてちょっといじって……すると変態の体が一瞬淡い緑っぽく光った。


「はっ、なんだ今のは!? ルシア様!」


「ルシア様、回復魔法をお使えになられたのですね!」


なんかこいつら、勝手に勘違いをしているようなので付け足しておく。


「いや、今のは魔力操作で無理やり変態の魔力循環速度を限界まで上げてちょいとイジって回復速度を上げただけだから正確には変態が自分で回復したのに近いけど」


二人は関心してるけど俺には一切の魔法の属性系統の才能がなかった。要は属性のついている魔法が使えない。まあ、それに気づいたのは五歳の時、魔術師が鑑定してくれたから分かったんだけど。


まあ、そのおかげか期待もされて無いからのんびりゆったりライフを送れるんだけどね。


じゃあ、なぜ使えるか。魔法は無理でも魔力を操作することは幸いにも出来たし、赤ちゃんの頃からずっとやってたから得意だった。


それを応用して火を起こすなら魔力を超高速で摩擦させて着火させる。さっきの場合は変態の体内の魔力循環速度を限界まで上げて回復速度を上昇させた。


さっきの魔力弾も魔力を集めて前に放つといった、単純な事なので魔力がある人間ならば大抵は誰でもできる。


まあこの方法じゃ、演唱なんてないからイメージ力と魔力操作の技術が大事なんだけど。


最も魔力操作でゴリ押ししてるようなものなので上級魔法とか言った物は使えない。


「ルシア様、朝食の時間です! 早く行きましょう」


「ちょ、護衛を置いてかないでください!」



「と言う事だ、大丈夫そうかね?」


「大丈夫です、お父様。」


他の兄弟たちは朝食を終え、それぞれのことをしている時。俺はまだ椅子に座っていた。

どうやらパーティー楽しんでね、気をつけろ見たいなことを言っていた気がする。詳しいことは忘れたがレイさんに聞けば良いだろう。


この部屋は家族で食事をする場所で、無駄にデカいシャンデリアが縦に三つ連なっているのが印象的だ。


誰の趣味かは分からないが、趣味の悪い不気味な絵人間が合体している絵がこちらを見ている気がする。いや確実に見ているはずだ。


そう言えば小さい頃はお父様に、「悪い子はあの絵に中に連れ込まれちゃうぞ」と言われたのを思い出した。


俺から見て右側から第一夫人のアンナさんは綺麗な赤髪を腰ほどまで伸ばしており、その隣が第二夫人のサレイナさん。輝いている綺麗なブロンドが特徴で綺麗なエメラルドグリーンの瞳と豊満なパイがこちらを見ている。

あ、パイさんこんちわっす


そしてお父様のライアムス=リィ=ウィリアムスはコ・シ・のある銀髪を耳半分程度で切ってある。ちなみに言うとマッシュじゃないし、老化現象である白髪しらがではない。


その左に座っているのが俺の母であるクロエ=リィ=ウィリアムス。100%老化現象ではない、腰まで伸ばした白髪とどこまでも吸い込まれていく様な碧眼はとっても綺麗だ。


俺の白髪と碧眼はこの人譲りなのだろう、おまけに美形である。


「ふむ、そうか。なら戻りなさい。」


「ルシア、パーティー楽しみにしてるわよ。」


クロエお母様からにっこりと言われる。


「はいっ!」


俺も笑顔で返した。


「それでは失礼します。」


俺が頭を下げると隣にいたレイさんとレイムンドも頭を下げる。


部屋から出ると少し緊張してたのか少し額から汗を流したレイさんがこちらに話しかけて来た。


「いつも思うのですがルシア様、ライアムス様の前では敬語なんですよね。」


「いや、当たり前だろ。」


常識に考えて敬語を使った方が良いのは目に見えている。実際お兄さんもお姉さんも敬語を使っているし。

妻達ぐらいしかお父様にタメ口を叩いてるのを見たことがない。


「そう言えばドレスのサイズ測らなくて良いのか?」


俺の十歳生誕パーティーはあと三日後だ、最近体のサイズを測った記憶がない。


「このレイムンドがルシア様のぉ“うホェ! ガハァッ!」


吹っ飛ばされて倒れているレイムンドにさらにもう一発魔力弾を撃ち込む。これぐらいしないと多分15歳の生誕パーティーでも同じことをするだろう。

まあ、その頃には解雇されている気がするが。いまだになんでこんな奴が雇われているのか不思議でならない。


「ルシア様、サイズはもう寝ている間で測りましたので大丈夫です!」


……寝ている間? と言うことは……


いや、考えるのはやめておこう。


「お、そそうか。でも今度から起きてる時にやってくれると、嬉しいぞ? ちなみに今まで何回やったんだ?」


「すいません! 今度はルシア様が起きている間にサイズを……そうですね、全部合わせると生まれた時と……ゴニョゴニョ」


「いやもう良い、変態起きろー」


なんかこれ以上聞いたら俺の心がやばい気がする。それとレイさんの年齢が気になったがすぐに思考を切り替えた。



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