第2話  おっさん、私より強くね?


えーーと。

うん。

ここは一体どこでしょう?



ぜんぽぉぉうかぁぁくにぃぃぃん!!!!


やったね!ゴミだらけ!!



こうほぉぉうかぁぁくにぃぃぃん!!!!


やったね!ゴミだらけ!!



さゆうぅぅぅかぁぁくにぃぃぃん!!!!


やったね!ゴミだらけ!!



きゅうぅぅかくじょぉぉほぉぉうかぁぁいじぃぃ!!


くっっっっさい!!!!



これ、かなり久しぶりに現世に来た私でもなんとなぁーく分かるよ?

あれでしょ?

ゴミ処理する場所でしょ?ここ。


いやなんでここに来てるかって話よ?

しらんがな。

そういえば行き先とか全然考えてなかったなぁー、って思ったのが着地3秒前。


ここ室内かなーってなったのが着地2秒前。


あれ、ここゴミ捨てられてるとこじゃね?ってなったのが着地1秒前。


そんでくっさいってなったのが着地寸前。


いやぁーびっくりだね。

この臭さ。

昔食ったお師匠お手製ヘドロに匹敵する臭さってよく考えたらえげつねぇよ?

良かったね現世人。君達双世界の神様に匹敵してるよ。

わあーーパチパチ。



んなこたぁどうでもよくて!


まずはこのくっさいところからさっさとおさらばしようか。


私は文字通りゴミの山から降り、出口を探していた。

ゴミの山は周りにいくつもあり、その間を通るように進んでく。

山があまりにも高いもんだから視界は最悪。

て思ったら、ん?


あれ、出口じゃね?


なーんかあっきらかにゲートみたいなやつ。


あ、車入ってきた。


うん。これは出口だね間違いなく。


よっしゃきたぁ!

善は急げ!!

見つからずに!!

猛ダッシュ!!!


って、あれ?

なんか地面蹴れない。

足、届かない。


え。


浮いてる…??


浮遊能力なんて使おうもんなら制限がかけられなくて即落下死なのに…?


いや、違う。これは、



「嬢ちゃん。どこから入ってきたんだ?」



現世のおっさんに掴まれてるぅぅぅぅぅ!!!!???


いやこのおっさんでかぁぁ!!!!??


どこのどなたぁ!!???



「しかもなんかすごい服着てるしなぁ…」



ひぃぃぃぃぁぁぁぁあああ!!!!!!

なんか!!

なんか!!!

よく分かんないけど!!!!


身の危険を感じる…!!!!!


スロミアぁぁ!!

助けてぇ!!!


あ…。でも!

ばぁか!

私には杖があるんだよ!!


えーとそしたら杖を出して、と。


…………………………あ。


地面に足つけられないから……出せない…。



「おーい嬢ちゃん。聞いてるか?さっきからなぁにあたふたしてんだよ」

「あ、あの。ちょっと離してもらえませんか?」

「おう、やっと反応した」


そう言っておっさんは私を離し、私は地に足をつけることが出来た。


「ばかめ!!地面に足がつけれればこっちのもんなんだよ!!」


私は杖を取り出し、杖の先端にある水晶に力を込める。

使うのは前も話した炎の能力!!

確かにマッチの火程度だけど、頑張れば3つくらい出して脅しにはできる!!!

フッ……。どんまい、おっさん……。





………………ん?………あれぇ??


…炎が……出ねぇんですが??


なにゆえ…?



「なんだこんな杖持って、ごみの中から持ってきたのか?」


あ!ちょっ…!

おっさん!!それ私の杖!!


…奪われてるし………力の差って無慈悲だ。



でもなんで炎が出ないんだろ?



「よく分かんないが、嬢ちゃん。とりあえずついてきてもらってもいいか?」


まさかの転移早々に捕まっちった。





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