第4話「再挑戦!!」

配信を始めてから一年が経ち、ミユキは自分の成長を実感していた。視聴者数も増え、配信の内容もより充実したものになっていた。日々の配信を通じて得たスキルや自信を胸に、彼女は再び「TOKINS」のオーディションに挑戦する決意を固めた。

「今年も『TOKINS』のオーディションが始まったんだ…」ミユキはメールでオーディションの案内を確認しながら、心の中で気合いを入れていた。

今回のオーディションは、前年とは異なり、自己紹介や配信のアピールポイントに加えて、前年の改善点や成長を示す内容が求められていた。ミユキは、自分の配信のハイライトをピックアップし、成長を示すためのビデオを準備することにした。

「一年間の努力を見せるために、最高のビデオを作らなきゃ…」ミユキは決意し、ビデオの撮影に取り掛かった。彼女は配信中の特に良かった瞬間や、視聴者からの好評のコメントを取り入れたビデオを制作した。

ビデオが完成すると、ミユキはオーディションの応募フォームに必要事項を入力し、ビデオを添付して送信した。心の中で成功を祈りながら、送信ボタンを押すと、あとは結果を待つのみだった。

数週間後、ミユキのもとに「TOKINS」からのメールが届いた。ドキドキしながらメールを開くと、一次選考通過の通知が書かれていた。

「本当に、通ったんだ…!」ミユキは信じられない気持ちで画面を見つめた。涙がこぼれそうになる中、喜びの気持ちでいっぱいだった。

その晩、ナナとカフェで会い、ミユキは興奮気味に知らせた。「ナナ、一次選考に通ったよ!これからが本当の勝負だね。」

ナナは笑顔で言った。「すごいじゃん、ミユキ!一年間の努力が実を結んだね。次も全力で応援するから、頑張って!」

「これでまた一歩前進できたんだ…」 ミユキは心の中で静かに決意を新たにし、次のステップに向けて準備を始めることにした。

一次選考を突破し、ミユキは再び「TOKINS」のオーディションに挑むことになった。次のステップは第二次選考で、ここではさらに高いレベルのパフォーマンスが求められていた。ミユキは日々の配信に加えて、特訓を重ねることに決めた。

「第二次選考の内容は、自己紹介や配信のパフォーマンスだけでなく、特定のテーマに基づくプレゼンテーションも必要なんだ。」ミユキはオーディションのガイドラインを確認し、自分がどのようなプレゼンテーションをするべきか考えた。

彼女は自分が得意とするジャンルや、視聴者からのフィードバックを元に、テーマに合わせた新しい企画を考案した。それは「視聴者と一緒に作るスペシャルイベント」で、視聴者とのインタラクションを深めることを目的とした企画だった。

「これが私の新しい挑戦だ…」 ミユキは準備に取り掛かり、配信の中で企画の予告をし、視聴者の参加を募ることにした。視聴者との関わりを深め、イベントの内容を決める過程を共有することで、より親密なコミュニケーションを図った。

いよいよ第二次選考の日が来ると、ミユキは緊張しながらも、事前に練習したプレゼンテーションを自信を持って行った。彼女はテーマに沿った配信をし、視聴者とのインタラクションを大切にしながら、自分の魅力を最大限に引き出すよう心掛けた。

「こんにちは、ミユキです!今日は皆さんと一緒に特別なイベントを楽しんでいただこうと思います!」

配信が始まると、ミユキは視聴者との対話を積極的に行い、リアルタイムでの反応を見ながらプレゼンテーションを進めた。視聴者からのフィードバックに即座に応じ、柔軟な対応を見せた。

「この企画、すごく面白い!」「ミユキさんのリアクションが最高だね!」視聴者からのポジティブな反応が流れる中、ミユキは自分のパフォーマンスに自信を持ち続けた。

配信が終了し、あとは結果を待つのみだった。数日後、ミユキのもとに「TOKINS」からのメールが届いた。メールを開くと、第二次選考通過の通知が書かれていた。

「やった、通過した…!」ミユキは画面を見つめ、涙がこぼれるのを感じながら歓喜の気持ちに包まれた。彼女の努力が再び形になった瞬間だった。

その晩、ナナとカフェで祝杯を挙げた。「ナナ、第二次選考も通過したよ!これでいよいよ最後のステップだね!」

ナナは笑顔でグラスを持ち上げた。「おめでとう、ミユキ!これまでの努力が実を結んだね。最後の試練も全力で応援するから、頑張って!」

ミユキは心からの感謝の気持ちを込めて、ナナに微笑んだ。「ありがとう、ナナ!これからも全力で頑張るよ。」

ミユキは第三次選考を通過し、晴れて「TOKINS」の一員として活動を開始することが決まった。彼女の心は喜びでいっぱいだったが、同時にこれからの新しい挑戦に対する期待と不安も感じていた。

「これでとうとう、『TOKINS』の一員になれたんだ…」ミユキは自宅で、オーディションの結果通知を見つめながら、感慨深い気持ちでいっぱいだった。これからは新しい名前とキャラクター設定が必要になることを理解していた。

その日の午後、ミユキは「TOKINS」のオフィスでマネージャーの石塚さんと初めての打ち合わせを行った。石塚さんは中年の男性で、親しみやすい笑顔を持つ優秀なマネージャーだった。

「ミユキさん、おめでとうございます。これから一緒に頑張りましょう。」石塚さんは温かい笑顔で挨拶した。

「ありがとうございます、石塚さん!これからが新しいスタートなんですね。」ミユキは期待に満ちた表情で答えた。

打ち合わせが始まり、最初の議題は「新しい名前」と「立ち絵」についてだった。石塚さんはミユキに「TOKINS」内での新しいキャラクター像やコンセプトについて詳しく説明した。

「ミユキさんの魅力を最大限に引き出すために、まずはキャラクターのテーマを決めましょう。どんなイメージを持ちたいですか?」石塚さんは問いかけた。

ミユキはしばらく考えた後、答えた。「私は、視聴者に親しみやすく、明るい印象を持ってもらいたいと思っています。あと、少しファンタジーっぽい要素を取り入れて、個性を出したいです。」

「了解しました。それでは、具体的な名前と立ち絵のイメージについて考えましょう。」石塚さんはメモを取りながら、ミユキと一緒にアイディアを出し合った。

名前について、ミユキは「星に関連する名前がいいな」と提案した。「例えば、星の名前や星座にちなんだ名前にしたいと思っています。」

石塚さんは頷きながら、「それでは、いくつか候補を挙げてみましょう。例えば、『セリス』や『ルナ』、あるいは『ノエル』などがあります。」と提案した。

ミユキはその中で「ルナ」に強く惹かれた。「『ルナ』は、月を意味するし、ファンタジーの要素も感じられていいと思います。」

名前が決まったところで、次は立ち絵のデザインだ。ミユキは自分のキャラクターに求めるイメージを石塚さんに説明した。「ファンタジーっぽく、少し可愛らしさもありつつ、明るい雰囲気を持たせたいです。衣装は星や月に関連するデザインがいいな。」

石塚さんは「それなら、月のモチーフを取り入れたドレスや、星のアクセサリーを付けるのが良いかもしれませんね。具体的なデザインは、デザイナーと相談しながら決めていきましょう。」と提案した。

ミユキはそれに同意し、イメージボードを作成するための打ち合わせを行った。彼女は新しい立ち絵がどのように仕上がるか、楽しみと期待でいっぱいだった。

「これで、いよいよ新たなスタートを切るんだな…」ミユキは心の中で新しい名前「ルナ」と共に、これからの活動に向けての決意を新たにした。

石塚さんは最後に「ミユキさんの新しいスタートを応援しています。これからの活動が楽しみです。」と励ま

ミユキは「ありがとうございます。全力で頑張ります!」と力強く答え、これからの活動に向けた意気込みを見せた。

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