第5話「切り抜き感謝!!」

姫星ルナとして活動を始めてから一か月が経ち、彼女の配信は順調に進んでいた。視聴者からの反応も良好で、配信を楽しむファンが増えてきていた。ある日、ルナは配信中にふと自分の配信の切り抜き動画がファンからアップロードされていることに気付いた。

「これ、どうやって見るのかな?」ルナは興味津々で、ファンが作成した切り抜き動画をチェックすることにした。彼女が目にしたのは、配信中の笑顔やハプニング、そしてファンとのやり取りが編集された動画だった。

「わぁ、これが私の配信の切り抜きなんだ…」ルナは感動しながら動画を見ていた。切り抜き動画には、彼女の魅力や配信の楽しい瞬間が凝縮されており、視聴者がどれだけ彼女の配信を楽しんでいるかが伝わってきた。

その日の夜、ルナは石塚さんと打ち合わせをしている時に、この切り抜きの話をした。「石塚さん、ファンの方が私の配信の切り抜きを作ってくれているんです。見てみたら、すごく面白くて…」

石塚さんは微笑んで答えた。「そうですね、切り抜き動画はファンが作ってくれる大切なコンテンツです。配信の楽しい瞬間を切り取ってくれるので、視聴者の関心を引き続けるためにも非常にありがたいものです。」

「なるほど…」ルナは頷きながら、切り抜きの重要性を理解した。「自分の配信をこうして振り返ってみると、さらに楽しさが増して、応援してくれる人たちにもっと感謝しなきゃって思います。」

石塚さんは「その通りです。切り抜き動画は、視聴者との絆を深めるためにも大切な役割を果たしています。これからも、ファンとの交流を大切にしていくといいでしょう。」とアドバイスした。

その後、ルナはファンからの切り抜き動画に対する感謝の気持ちを伝えるために、配信中に「切り抜き動画を作ってくれてありがとう!」とメッセージを送ることにした。視聴者からのリアクションも良く、ファンとの交流がさらに深まった。

「こんルナ~!星の妖精として地球に降りてきた妖精アイドル!姫星ルナです!!」

ルナは配信の最後に、自分の挨拶を繰り返しながら、心からの感謝を込めたメッセージを届けた。「皆さんが作ってくれる切り抜き動画は、私にとって宝物です。これからも一緒に楽しい時間を過ごしましょうね!」

姫星ルナは、配信活動を続ける中で、ファンからのポジティブな反応が増えてきたことを喜んでいた。しかし、ある日、彼女はネットでの反響についてもっと知りたいと思い、初めて自分の名前でエゴサーチをしてみることにした。

「どんな反応があるんだろう…?」ルナはドキドキしながら、検索結果をスクロールしていった。しかし、すぐに目に入ったのは、「ウザイ」「明るすぎてなんか嫌になる」といった辛辣なコメントだった。

「こんなコメントもあるんだ…」ルナはショックを受け、しばらくその画面を見つめていた。自分の配信が誰かにとって不快に感じられるのは初めてのことで、彼女は深く考え込んでしまった。

「どうすればいいんだろう…」ルナは悩みながら、自分の配信スタイルを改善する必要があると感じた。彼女は視聴者の反応を真摯に受け止め、配信の内容やトーンに変化を加える決意をした。

次の配信で、ルナはまず自分のトーンや表現を少し落ち着け、視聴者との対話をより深くすることにした。ファンからの質問に丁寧に答え、コンテンツをより多様化することで、視聴者の興味を引くよう心がけた。

「こんにちは、姫星ルナです!今日は皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしましょうね!」

配信中、ルナは明るさを失わずに、でも少し落ち着いたトーンで話すように意識した。視聴者との対話も自然体で行い、視聴者がリラックスできるよう心配りをした。

配信が終了した後、ルナは再びエゴサーチをしてみることにした。すると、前回とは違って、ポジティブなコメントが目立つようになっていた。「ルナちゃん、落ち着いててすごくいい!」「今日の配信も楽しかった!」といったコメントが増えていた。

「こんなに変わるものなんだ…」ルナは感動しながら、画面を見つめた。自分の努力が確かに反映されていることを実感し、嬉しさがこみ上げてきた。

その日、Twitterのトレンドには「#ルナすごい」が上がっていた。ファンたちがルナの努力を称賛し、彼女の配信を楽しんでいる様子が広がっていた。

ルナはそのトレンドを見て、涙がこぼれそうになりながらも、喜びの気持ちでいっぱいだった。「こんなに応援してくれる人たちがいるんだ…」

その晩、ルナはファンへの感謝の気持ちを込めて、配信の最後にメッセージを送った。「皆さん、いつも応援してくれて本当にありがとう!これからも一緒に楽しい時間を過ごしましょうね!#ルナすごい」

ファンたちからの温かい反応と、トレンドに載ったことは、ルナにとって大きな励みとなった。彼女はこれからも視聴者の声を大切にしながら、さらなる成長を目指して努力し続ける決意を新たにした。

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