第2話「え!?私が!?」
ミユキがブイチューバーとして配信を始めてから二か月が経ち、彼女は配信の内容や技術に自信を持ち始めていた。視聴者数も少しずつ増え、ファンからの応援メッセージも増えてきた。そんな中、彼女のもとに大きなチャンスが訪れた。
ある日、ミユキは配信を終えた後に、SNSで「TOKINS」のオーディションの情報を目にした。「TOKINS」は、新たな才能を発掘するためのブイチューバーオーディションで、合格者は専門のサポートを受けることができるという。
「これが私のチャンスかも…!」ミユキは目を輝かせながら、情報をスクリーンに見入っていた。すぐにオーディションの詳細を確認し、応募の準備を始めた。
翌日、学校の帰り道でナナと会ったミユキは、興奮気味に話した。「ナナ、ついに『TOKINS』のオーディションがあるんだって!私も応募するつもり!」
ナナは驚きと喜びの表情で言った。「すごいじゃん、ミユキ!それは大きなチャンスだね。準備は大丈夫?」
「うん、でもオーディションに応募するのは初めてだから、ちょっと不安もあるけど…」ミユキは少し緊張した表情で答えた。
ナナは励ますように微笑んだ。「大丈夫だよ。ミユキの良さはちゃんと伝わるはずだよ。頑張って!」
その夜、ミユキはオーディションのためのビデオを撮影するために準備を整えた。部屋のレイアウトを整え、カメラをセットし、緊張しながらも気持ちを引き締める。
「これが私の全力だ!」ミユキは心の中で呟きながら、オーディション用のビデオを撮影し始めた。自己紹介や自己PR、そして配信のハイライトを含めたビデオを完成させるため、何度も取り直しながら慎重に作り上げた。
ビデオを完成させたミユキは、応募フォームに必要事項を入力し、ビデオを送信した。心の中で祈るように願いながら、送信ボタンを押した。
数日後、ミユキは学校から帰ると、メールボックスに一通のメールが届いていた。それは「TOKINS」からの返信で、オーディションの一次審査通過のお知らせだった。
「本当に、通ったんだ…!」ミユキは信じられない気持ちでメールを開き、内容を確認した。一次審査の通過が決まったことに、彼女は嬉しさとともに新たな緊張感も感じていた。
その晩、ミユキはナナにそのニュースを伝えた。ナナは大いに喜び、二人は祝杯をあげることにした。「これからも応援するから、最後まで頑張ってね!」
ミユキはその言葉に励まされ、次のステップに向けて気持ちを引き締めた。オーディションはまだ始まったばかりだが、彼女の夢に向かって一歩ずつ進んでいく力強い気持ちが芽生ミユキの一次審査通過の知らせを受けてから、彼女は日々の配信を続けながらも、第二次審査に向けた準備に全力を注いでいた。メールで送られてきた案内には、第二次審査の内容やスケジュールが詳細に記されていた。
第二次審査では、実際の配信を模したパフォーマンスが求められ、審査員の前で自分の魅力をアピールする必要があった。ミユキはそのために、特別な配信を準備し、自分らしさを最大限に引き出すために練習を重ねていた。
「緊張するけど、これが私の実力を示すチャンスだよね…」
放課後、ミユキはカフェでナナと会い、次の審査について話していた。ナナは心からミユキを応援しており、彼女にエールを送る。
「ミユキ、第二次審査の準備は順調?自分らしく、楽しんでやれば大丈夫だよ。」ナナが優しく励ます。
「ありがとう、ナナ。自分らしさを出せるように、全力で頑張るよ!」ミユキは自信を持って答えた。
その夜、ミユキは自宅で最後のリハーサルを行っていた。部屋の一角に特設した配信セットを整え、カメラの前に立つ。画面に映る自分を確認しながら、最終チェックを行う。
「ここで自分の全力を見せなきゃ…!」
本番当日、ミユキは緊張しながらも、胸の中で燃える情熱を抑えつつ会場に向かった。会場には他のオーディション参加者たちもいて、それぞれが自分の準備をしていた。
審査が始まると、順番に各参加者がパフォーマンスを披露し、審査員たちの前で自己アピールを行う。ミユキの番が来ると、彼女は深呼吸をし、ステージに立った。
「こんにちは、ミユキです!今日は私の配信スタイルや魅力をお見せできることを楽しみにしています。」彼女は笑顔で自己紹介し、配信を開始した。
配信中、ミユキは視聴者とのインタラクションを大切にしながら、自分の得意なゲーム実況やリアクションを披露した。彼女のエネルギッシュなパフォーマンスと、自然な笑顔が会場の雰囲気を和ませ、審査員たちも引き込まれていった。
「こんな風に配信ができるんだ…!」ミユキは自分の配信を通じて、自分の個性や魅力を最大限にアピールできたことに満足感を覚えた。
審査が終わると、参加者たちは結果を待つ間、緊張と期待が入り混じった雰囲気の中で過ごした。数時間後、審査結果が発表され、ミユキは自分の名前が呼ばれるのを心の中で祈っていた。
「ミユキさん、おめでとうございます。第二次審査通過です!」
その瞬間、ミユキの心は歓喜でいっぱいになり、目には涙が浮かんだ。彼女は大きな一歩を踏み出したと実感し、努力が報われたことに感謝の気持ちでいっぱいだった。
会場を後にし、自宅に帰ると、ナナが待っていた。「お疲れ様、ミユキ!すごく良かったよ!」
「ありがとう、ナナ!次の審査も全力で頑張るから、応援よろしくね!」ミユキは力強く応えた。えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます