私の画面の向こう側

白雪れもん

第1話「私も、あの画面の向こう側に立ちたい!」

高校生のミユキは、放課後の教室で一人、スマホの画面に釘付けになっていた。目の前に映るのは、彼女が心から憧れるブイチューバー、アヤの配信だった。アヤは、リアルな生活とバーチャルな世界を絶妙に融合させ、多くのファンを魅了している。

「アヤちゃん、すごいな…私もこんな風になりたい!」ミユキは目を輝かせながら呟いた。彼女の心には、ブイチューバーとしてデビューするという夢が芽生え始めていた。

帰宅後、ミユキは自室にこもり、ブイチューバーに関する情報を調べ始めた。配信機材の選び方、動画の編集方法、配信ソフトの使い方…彼女のパソコン画面には、関連する情報が次々と表示される。と同時に、彼女は自分の配信に必要な準備が多いことを実感し、少し不安にもなった。

数日後、学校の帰り道で友人のナナに会った。ナナはミユキの夢を知っており、彼女の夢に共感していた。

「ミユキ、最近何か熱心にやってるみたいだね。どうしたの?」ナナが興味津々で訊ねる。

「実はね、ブイチューバーになりたいって思ってるの。アヤちゃんみたいになりたくて…でも、どうやって始めればいいのか全然わからなくて。」ミユキはちょっと恥ずかしそうに話した。

ナナは微笑みながら、「それなら、まずは小さな一歩から始めてみるのがいいかも。例えば、まずは簡単な機材を揃えてみたり、動画編集を少しずつ練習してみたり。」とアドバイスした。

そのアドバイスを受け、ミユキは早速行動を開始した。まずは最低限必要な機材を購入し、動画編集ソフトの使い方を独学で学ぶ日々が始まった。彼女の部屋は、配信機材や参考書でいっぱいになっていった。

数週間後、ミユキはようやく初めてのテスト配信をする決心をした。配信はまだ初心者レベルだが、自分の声と画面に映る自分を確認することで、少しずつ自信を持てるようになってきた。

初めての配信は視聴者も少なく、コメントもほとんどなかったが、ミユキはそれでも嬉しくてたまらなかった。「これが、私の夢への第一歩なんだ…!」

ミユキの初めての配信から数週間が経ち、彼女の部屋は少しずつ進化を遂げていた。新たに購入した機材やソフトが揃い、ミユキはさらに本格的な配信に向けて準備を進めていた。

「今日は、少し違うことに挑戦してみようかな…」ミユキは、自分の配信内容を決めながらつぶやいた。彼女は視聴者からの反応を受けて、次にどんな内容を配信するかを考えるのが楽しくなってきていた。初めての配信で反響を得たことが、彼女に自信を与えていたのだ。

放課後、ミユキはカフェでナナと会い、配信の計画を相談した。

「ナナ、次の配信でゲーム実況をやってみようと思ってるんだけど、どうかな?」ミユキが提案する。

「それ、いいね!ゲーム実況は視聴者にも人気だし、ミユキの魅力がもっと伝わるかもしれないよ。」ナナが賛同の意を示す。

その夜、ミユキはゲーム実況のための準備を整え、再び配信スタジオへと戻った。彼女はゲームを起動し、配信ソフトを設定してから、画面に映る自分の姿を確認する。

「よし、これで準備完了!」ミユキは自分を鼓舞するように言い、配信の開始ボタンを押した。

配信が始まると、最初は少し緊張していたが、ゲームが進むにつれてミユキは自然な感じで話し始めた。彼女のリアクションやコメントへの対応が、徐々に視聴者からの反応を引き出すようになってきた。

配信中に何度かゲームの中で予期せぬ出来事が起きると、ミユキはその都度面白おかしく反応し、視聴者と一緒に笑い合った。コメント欄には、初めて見るファンからの応援メッセージが流れ始め、ミユキの心は嬉しさでいっぱいになった。

配信が終わった後、ミユキは自分の配信を振り返りながら、達成感に浸っていた。「もっと上手くなりたいな…もっとたくさんの人に楽しんでもらいたい!」

次の日、学校の廊下でナナと会うと、彼女は興奮した表情で話し始めた。「ナナ、昨日の配信、すごく良かったよ!コメントもたくさん来て、視聴者との交流が楽しかった!」

ナナも笑顔で応えた。「ミユキ、着実に成長してるね。これからもこの調子で続けていけば、もっとたくさんのファンができると思うよ!」

ミユキはその言葉に勇気づけられ、ますます熱心にブイチューバーとしての活動を続ける決意を固めた。彼女は新たな挑戦に向けて、前向きな気持ちで一歩踏み出した。

その夜、彼女は新しい配信のアイデアをノートに書き出し、次の配信に向けての準備を始めた。ミユキの夢はまだまだ続く。彼女の小さな一歩一歩が、大きな未来への道を築いていくのだった。


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