後輩と同級生が仲良くなった
「それにしても渚ちゃんは可愛いし、肌も綺麗だね。肌のケアとかどうしているの?」
「特に何もしてないですよ。中島先輩の方がお綺麗で羨ましいです」
「そんな事ないよ〜 でも嬉しい!」
二人で女子トークが始まってしまった。
僕は蚊帳の外だ。
しばらくすると僕と長谷川の出掛ける話になった。
「渚ちゃん、東山の事をデートに誘ったんだって?」
「ええ、そうなんですよ。高校時代は出掛けた事が無かったですからこれを機にと思いまして」
「健気だなねぇ。東山、これはしっかりプランを練らないといけないよ!」
それを聞いた長谷川が僕の方を見る。
「中島先輩に相談していたんですか?」
「ああ、一晩考えたけど良い案が浮かばなくてな。長谷川をガッカリさせたくなくて相談したんだ」
「真剣に考えて下さって嬉しいです」
「まあ、まだプランを練る事は出来てないけどな」
「それで渚ちゃんの興味がある事とか好きな事を聞こうって話になったんだよね」
「私の興味がある事や好きな事ですか」
長谷川が腕を組んで考え始める。
「そうですね。相談に乗っていただいた中島さんには私の我儘で申し訳ないのですが、東山先輩が考えてくれた所が嬉しいです」
「か、可愛い……」
中島が呟く。
不覚にも僕も可愛いと思ってしまった。
「東山、渚ちゃんにそう言われたら頑張って考えるしかないね!」
中島が俺の背中を叩いて言う。
「あ、ああ。そうだな」
俺は動揺を悟られないように答えた。
そうして長谷川の好みを考える。
思えば、くだらない会話の中でも長谷川が自分の好みについて話していた事を思い出した。
「そう言えば、ペンギンとドリームランドのキャラクターが好きだと言っていたな」
長谷川は目を見開いて驚いた表情をする。
「私言った事ありましたっけ? よく覚えていましたね」
「思い出したのは今だけどな」
長谷川は顔を横に振る。
「思い出して下さって嬉しいです。ありがとうございます」
長谷川が嬉しそうに呟く。
「そうしたら、水族館かドリームランドに行くか。長谷川はどっちが良い?」
すると長谷川は中島に視線を移した。
「中島先輩はドリームランドって好きですか?」
突然の長谷川からの質問に中島は驚いている。
「う、うん。好きだよ。たまに友達と行くよ」
「それなら水族館には東山先輩と二人で行って、ドリームランドには中島先輩も一緒に行きたいです」
「えっ、良いの?」
中島が言うと長谷川は大きく頷く。
「中島先輩と仲良くなりたいので是非!」
「可愛い過ぎる! 行く!」
「日時は後で決めましょう」
「了解、渚ちゃんの為だったら、無理矢理にでも空けるよ」
そう言いながら笑い合っている二人を見て微笑ましい気持ちになるのであった。
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