第59話
2月に入り、僕はフリーペーパーの事務所を退職した。2年生の秋から約1年半の中で、月2回の取材記事と連載小説を書かせていただいた実績は大きかった。退職と同時に掲載していた小説も連載終了として、物語も完結させた。
その数日後には、卒業進級制作展が開催され、YMと共に作った短編ドラマの上映、そして2年にわたり編集長を務めた歴史雑誌と書下ろしシナリオ本が展示された。1年生の頃より関わってきた歴史雑誌の編集も、これでおしまいである。何もかもが『最後の』となると、つい私の涙腺も弱くなり、展示会終了後にYMやHMと共にプチ打ち上げをしたときにその涙は零れてしまった。
そして1ヶ月後。卒業式を1週間前に控えたこの日、YMやHMをはじめ、親交のあった同級生たちが集まり、アミューズメントパークで散々遊び、夜には飲み会、そして朝までカラオケという遊びつくす1日を過ごした。アミューズメントパークでは僕の運動神経の悪さが明るみになり、飲み会とカラオケはアルコールが入ったこともあり、カラオケ時に酔い潰れたり、ぐったりしている子もいた。HMも疲れたのか、うとうとして僕にもたれてしまうほどだった。
3月20日、ついに卒業式を迎えた。僕は3年間皆勤賞になり、姉妹校全体を代表して登壇し、また専修学校連合会より愛知県知事賞をいただいた。式典が終わった後の謝恩会でも、僕は大号泣。友人や講師陣との別れは、本当に辛いものだった。
文章系の打ち上げに参加した後、僕はYMやHM、親交のある友人たちが遊んでいるというアミューズメントパークに合流。時間は夜遅くになっていたが、そのままみんなで朝を迎えた。
そして名古屋駅で、それぞれ最寄の電車に乗るために分散していく。ここでようやく涙を流した者もいた。僕は帰る方向が同じHMと共に電車に乗り、最寄駅に降り立った。僕にはまだ、専門学校を卒業したという実感がまだ湧かなかった。
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