第40話

夜のラーメン屋で、僕はUYに相談に乗ってもらった。苦言LINEを見たUYは怒り、卒業進級制作展で僕一人が悪者になるのはおかしいと、慰めてくれた。先輩との仲が悪いことを反面教師にして、僕らは僕なりに新年度に入学してくる後輩を迎え入れようと心に決めた。

しばらくして、僕は過去のことを忘れるかのように、新入生歓迎会の企画を立ち上げ、UYをはじめ他専攻の友人たちに声をかけ始めた。それころUYと最初に出会ったのは、1年前の新入生歓迎会だった。原点ともいえる新入生歓迎会に、友人たちは快く企画に乗ってくれ、早速顔合わせと会議のための顔合わせを行うことに。

準備に向けての分担が終わり、会議の議事録を作っている間、同じ新入生歓迎会企画メンバーの一人であるKYから、新年度の学園祭のお化け屋敷の副リーダーをやってほしいと依頼された。毎年恒例の企画で、今回はKYがリーダーをすることは聞いていたが、副リーダーを依頼されるのは意外だった。正直2年生は大人しく執筆活動をしようとしていたが、やはり何か企画が動き出すとエンジンがかかりはじめてしまう。僕は副リーダーを引き受け、同時進行で新入生歓迎会準備に動き出すことになった。


4月初旬。新入生歓迎会が開催された。ゲーム系の友人たちが中心で準備してくれた〇×クイズは大いに盛り上がった。中でも、僕が毎朝ちゃぶ台でご飯を食べているか、という問題では全チームが○と答えた。正解は×だったが、全チーム反対の答えに、「初めて会う先輩にそんなイメージあるか?」とコメント。後輩たちに顔と名前を覚えてもらえた良い機会となった。

歓迎会が終わって間もなく、新学期の通常授業が始まり、僕はKYとお化け屋敷に向けての準備に動き出した。そんなある日、普段学校で少ししか顔を合わせることのない、CG・映像専攻のMNから電話がかかってきた。何の用なのか、この時の僕にはさっぱり分からなかった。

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