第34話
学園祭が盛況に終わり、1ヶ月近くも経つと今度は夏休みがやってくる。だが、その前に1年生には『プロになるために』をテーマに、学生の前でチームごとにプレゼンをする『プレゼン大会』が毎年行われていた。授業の一環で、他専攻との合同授業の中で毎週プレゼンに向けて準備をしていたのだが、ついにその本番が来たのだ。中にはチームのメンバーが授業に来なくなったり、メンバー同士で揉めるチームもあったりと、殺伐とまでは言わないがピリピリした空気感があった。幸いにも、僕がリーダーをしていたチームは上手くまとまって、友人たち曰く、揉めなかったレアなチームだったそうだ。
本番当日、僕らのチーム発表の直前、あまりの緊張で顔がガチガチになってしまった。だが、別チームの友人が顔のマッサージをして、緊張をほぐしてくれた。その晩、近くの定食屋で、学園祭のお化け屋敷で知り合って以降親交が深くなった友人たちと打ち上げを行った。
それから数日後。高校生を対象にした1泊2日のキャンプ企画が行われ、僕は友人たちと一緒に学生スタッフとして同行することになった。このタイミングで、僕はスマホデビューをした。また、キャンプで映像係として参加した同級生のYMとは、入学当初から話しており、学園祭でも一緒にお化け屋敷の実行委員をやっていたが、この頃から急激に仲が良くなり始めた。これまでインドアだったが、専門学校入学以降、友達と何かをすることが楽しく感じるようになっていた。
プレゼン大会とキャンプが終わってからの約1ヶ月は、特にイベントの予定もない長い夏休みとなった。しかし連休になっても、僕を始めよく顔を合わせている同級生たちは、自主制作等のために学校に来ていた。
そして、そんな夏休みの自習で学校に来ていたある日、久しぶりに高校のコンピュータ部で同じだったHから、大阪の大学に進学したIが連休中に帰ってくるから食事会をするという連絡があった。
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