第33話
母の話では、修学旅行先の東京で弟の乗っていたバスに乗用車が衝突したという事故は、弟のクラスである3年1組が先頭車両だったがために起きたようで、幸い軽傷で済んだそうだ。他のクラスは予定通りのスケジュールで動き、大きなトラブルにもならなかったが、地元新聞の地域版には大きく載るニュースとなってしまった。地域版が掲載される同じエリアに住む友人たちの中には、事故の記事を見た者もいた。
学園祭の準備も、いよいよ追い込みとなり、僕らはお化け屋敷に必要な段ボール箱を取りに行くため、友人たちと共に大須まで出向いた。土地勘のなかった僕は、栄から大須間が徒歩圏内ということも知らなかった。一方の映像班も、当日使う映像制作と編集作業に追われていたようで、お化け屋敷としてのクオリティの凄さを、実行委員ながら感心した。
駄菓子屋の準備も通常授業との合間を見ての準備で大変な時期もあったが、何とか準備が終わった。駄菓子をテーマにした駄菓子小説を展示するという同時企画も、ようやく冊子としてまとめることができた。この頃から、ただ原稿を書くだけではなく、その原稿を『本』という形にする編集作業もするようになった。
一方、お化け屋敷では、当日の朝7時に集まって最終準備をすることになった。朝7時に学校に集合ということは、逆算すると僕は始発電車に乗らないと間に合わないことが発覚。そのため、僕は5時起きというスケジュールとなった。
学園祭当日は、オープンキャンパスも同時開催ということもあって、高校生も来場客も数多く見受けられた。僕や友人たちも、お化け屋敷に向けてホラーメイクをしっかりと施して準備をする。途中、駄菓子屋の状態を見に行こうと、僕はお化けメイクのまま駄菓子屋へ入っていった。様子を見がてら、駄菓子を買いに来ていた客たちにお化け屋敷の宣伝をする。楽しい時間はあっという間に終わり、盛況の中、2日間の学園祭は終わった。
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