第3話なにこれ
放課後、日向颯は学校の屋上で悠人と一緒に夕焼けを眺めながら、昨日の「魔法のバトル」や「妖精たち」のことを思い返していた。楽しい時間はあっという間に過ぎ、悠人はまたいつものように、颯に向かって笑顔を向けていた。
「颯くん、今日は一緒に魔法の花火を打ち上げようか。」悠人は嬉しそうに言った。「夜空に美しい光を放つのが楽しみだね!」
颯はにっこりと微笑みながら答えた。「うん、楽しみだね。でも、最近は君の魔法のせいで色々と大騒ぎになってるから、ちょっと心配もあるけど。」
悠人は手を振って否定した。「そんな心配は無用だよ!それに、僕が君の学園生活を楽しくするために来たんだから、何も問題ないよ。」
夜が深まると、悠人は空に向かって杖を振り、魔法の花火を打ち上げ始めた。色とりどりの光が夜空に広がり、幻想的な景色が広がっていた。颯はその美しさに感動しながらも、どこか物寂しい気持ちを抱えていた。
「悠人くん、君は本当に素敵な魔法使いだね。」颯は静かに言った。「でも、どうしてこんなに夢の中だけで会えるの?」
悠人は少しだけ考え込むような表情を見せた。「それは、僕が君の夢の中でしか存在できないからだよ。君が現実に戻ったら、僕も消えてしまうんだ。」
颯はその言葉に驚きながらも、心の中でささやかな寂しさを感じた。「そうか…それじゃあ、君と会えるのはこの夢の中だけなんだね。」
「そうだね。」悠人は優しく微笑みながら、颯の手を軽く握った。「でも、君が僕のことを覚えていてくれるなら、それだけで嬉しいよ。」
その瞬間、悠人の周りに淡い光が広がり、彼の姿が次第にぼんやりと消えていった。颯はその光景を見ながら、思わず目を閉じた。
「さよなら、悠人くん。ありがとう、楽しい時間を。」
目を開けると、颯はまた現実の世界に戻っていた。教室の屋上には、夜空に残された微かな光の跡だけが浮かんでいた。颯はその光を見つめながら、悠人との楽しい時間を心に刻んでいた。
「もしかしたら、またどこかで会えるかもしれない。」颯は心の中でそう呟きながら、学園生活へと戻っていった。
そして、その夜、颯は再び眠りについたが、夢の中にはもう悠人の姿はなかった。彼は静かに目を閉じ、どこか温かい気持ちを抱えながら、眠りへと落ちていった。
夢のような夜に 白雪れもん @tokiwa7799yanwenri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます